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封印 (文春文庫)

価格: ¥570
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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ターニングポイント ★★★★☆
黒川博行にとって跳躍前の軽やかなステップのような作品。初期の大阪府警シリーズはいずれも傑作だが唯一派手さに欠けた。
その後大阪の底辺で燻る者達を描いた犯罪小説に移行し、この作品もその流れにある。
主人公とヒロインはありがちな設定だがそれまでの作品での特長を消すことなく見事に幅を広げた。
その最たる者が怜悧なヤクザ伊島である。
粗暴さは皆無だが迫力に溢れ、そのくせ主人公とのやり取りが妙におかしい彼のようなキャラクターを産み出したことが黒川博行を次なる高みへ導いた要因ではないだろうか。星4つなのはこれ以降の作品が大傑作なせいである。
桑原さんにはかなわない ★★★☆☆
元ボクサーの主人公が失踪した兄貴株を捜索していく。京都のヤクザが登場するが、このヤクザが、ガラの悪い言葉や脅し文句を決して言わない。それでいて、なぜか威圧感がある。この脇役のキャラクターがいい
スピーディーで濃い展開に満足 ★★★★★
 テンポがよくても軽い、ということが世の中にはままあるが、この作者に限っては、それはない。テンポのよい作品であり、とにかく次々とトラブルが起こる。主人公は、ボクサーだったこともあって、非常に素早いフットワークである。しかし、けっして軽くはない。ほどよい重みがある。社会派だぞ、というほど何トンもの重みはつけないが、ただの読み物では終わらせない、と感じさせてくれるだけの現実社会に対する冷ややかな視線がある。それでも根底には、温かい心が息づいている。のんびりしてたらやられてしまう世の中であるが、欲得づくであっても、いいやつはいる。その貴重な心と心の偶然の結びつきを描いてみせる。満足である。