4年に渡って描かれた千夏と榛菜を中心とする百合の恋物語。
直情的な千夏と正反対の榛菜のふたりがゆっくりと恋を育んでいく様子や、明穂と透子先生の
関係など、メインキャラの恋物語については、百合というジャンルに関わらず、恋愛物として
十分読める作品となっている。

ただ、全3巻を通して、千夏と榛菜のふたりはいいものの、明穂と透子先生、知織とリエの話
はもっと練り込んで描いてほしかったのが正直なところ。
また桐香と美夕の話は、本編に入れるべきものかきわめて疑問。
サブキャラとしてしか登場してないのに、本編でメインキャラのように話を持ってくるより、
外伝的に描き、明穂と透子先生、知織とリエの話を掘り下げるべきだったろう。

そのため、比較的オススメできる百合作品ながら星は4つ。
ただ、どろどろしたところもなく、百合作品ながらオススメしやすいものであることには違い
はない。
いろいろと練り込みの甘さはあるものの、百合好きには全3巻買って損はない作品と言えるで
あろう。

主人公二人が幸せになるのは喜ばしいし、エロもなくほのぼのだったので
さっぱりと読めた。同性愛嫌いな人にも勧められる。
てっしーなど脇役も幸せでなにより。

でも、弓道部×演劇部は無駄でしかなかった。
それをやるくらいなら先輩登場からの修羅場がほしかった。
そうじゃなきゃそれまで振り向かせようと千夏が頑張っていた意味がない。
ラスボス弱すぎ。
ラスボスがもっと健闘していれば最終巻は☆５。２巻までは無条件で☆５！
ただ買って絶対に損はない。

榛菜と千夏の恋愛が好きな私には、ちょっと他の話が多くて残念でしたが…
榛菜のデレデレと積極的な行動が笑えました。一巻の榛菜とは大違い!
千夏は完全受け身で
最後のお泊まりの話も、もうすこし伸ばして欲しかったです

思えば4年もの時が過ぎていたのですね。かつて私を打ちのめした驚愕のキャッチコピー「お姉さまの初恋、私にください」を目にしてから(後の設定変更で「お姉さま」→「榛菜さん」に変更されましたが)以後ずっと追いかけてきましたフラグシップ的百合作品の完結となり、寂しさもありました。

ウエディングドレスをモチーフにしたという純白の衣装を纏った皆が総出演の表紙・裏表紙の通り、これまであまり恋愛面での進展のなかった組み合わせも含めて4カプの進展を一気に描いており、前予想では「榛菜と千夏がくっついたあとまったりいくのかな」と思っていたら、予想外の目まぐるしい視点変更に。

さすがに急いだ感はありますが、しかしいずれも最後の綺麗な終わり方を見たのちには「よかった。みんな、しあわせに」と祝福したい思いでいっぱいです。

また、2巻の帯にあった意味深なキャッチコピー、まさか此処にきて「最後の試練」的に使われるとは思いませんでした。当時そこまで狙っていたかは分かりませんが……

ともあれ作者さまや関係者さまにも、4年間お疲れ様と、そして最後まで綺麗な物語をありがとうございましたと賛辞を贈りたいです。



表紙を外すとちょっとしたおまけが……(笑)

この巻を持って「恋姉妹」から「初恋姉妹」へと名を変えたこの物語はとりあえず幕を閉じます。

様々な葛藤がありながらも彼女たちのそれぞれの想いはこれからも続いていきます。

この物語に出会えた事に本当に感謝しています。