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集合的選択と社会的厚生

価格: ¥3,150
カテゴリ: 単行本
ブランド: 勁草書房
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社会的選択理論のバイブル ★★★★★
1998年にアジア人として初めてノーベル経済学賞を受賞したAmartya Senが壮年期に書き綴った社会的選択理論の専門書です。この分野を切り開いたArrowの『社会的選択と個人的評価』と並ぶ社会選択理論の金字塔であり、未だに価値の衰えない美しい古典と言えるでしょう。数学的/理論的なセクションと言葉による記述のみのセクションが交互に進行する構成で、理論パートを読み飛ばしてもある程度内容は抑えらます。ただし、本書には訳者解説として数学準備も追加的に設けられており、関心の強い方はぜひ数学パートを含めてじっくりと生きた古典を堪能して頂きたいと思います。
センのノーベル賞受賞を決定づけた1冊 ★★★★★
 大学院生時代にこの著作を英語で読んだとき、これほど広範囲にわたる論点を深く、広く、かつわかりやすく解説できる人は、ほかにはいないと確信した。以来、センの論文・著作をずっと追ってきた。

 不平等や貧困などといった言葉から、センのことを単純に道徳的な人という誤った理解が日本では横行しているが、センがほんとうに言おうとしたことを理解するなら、この著作を読むのが一番である。そのあとで、1980年代以降に出た論文集や著作を読めばよい。センほど、徹底的に論理的な人はいない。その特徴がこの著作にはっきりと現れている。生意気なようだが、この著作を読まなければセンのことを永久に理解できないだろう。それほどまでに、前期センの功績と業績を凝縮した著作である。

 理解しにくいとか、わかりづらい、といったことは、この著作の価値とは無関係である。そのように感じた人は、この著作の価値がわからないだろう。この本は、私にとってバイブルに等しいくらいの深くて重い内容を持った本である。私はこの本を理解したくて、論理学の勉強をはじめにやった。そのあとではじめて、本書の内容が多少は見えてきた。

 そういう努力なしで本書の評価をすることは、まったく無意味である。