１９７７年発表、５枚目。余計なくらいの激情ボーカルが特色。このアルバムでも見事なアレンジを聞かせています。おそらく現在のカドマツトシキ氏が目指すアレンジの目標ではないでしょうか。アレンジセンスはやはり進み過ぎていましたね。コマーシャル度数はかなり低く、楽曲の完成度はいまひとつ。アレンジがいいのにもったいない。組曲形式（見事プログレしてます）というものに挑戦していますが、売り上げ無視なやりかたがあっぱれです。アメリカでは生きにくい典型的な音楽家。トータルな完成度ではやはりいまひとつ。この人の場合、どこを妥協点とするかが極端な形で出てしまうのが弱点でしょうか。このアルバムではあれもやりたいこれもやりたいと欲張り過ぎではないでしょうか。（６点）

ジノの音楽は、聴き込んでも擦り切れることがありません。
このアルバムも百回を越えるほど聴いていますが
聴くごとに良さが増してくるんです。
そうして少しずつ深いところに浸透してきます。

前半は真摯な曲・優しい曲・力強い曲・温かい曲・美しい曲
…と、各曲が自然な流れでバランス良く配されています。

後半は４部構成のシンフォニー。
クラシック調の壮大かつ繊細な音世界。
しかし……ここまで売り上げにこだわらず
純粋に自らの音楽を追求している人が他にいるでしょうか。
それをしてしまうジノ＆ジノ三兄弟と
ジノを信頼して自由に作らせてくれたＡ＆Ｍに、
心からの拍手を送りたいです（スタンディングオーベイションですよね）。