ブラジル音楽の現在(いま)が見える
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1曲目のAcredite Ou Naoの出だしから2人の世界に引きずり込まれる。
非常に単純明快な音なのに、いや、だからこそ究極のカッコ良さがそこにある。
レニーニの声とギター、スザーノのバンデイロが時にクールに時に切なく絡み合い、
ブラジルならではの独特なグルーブ感が我々を至福の世界へと誘う。
ボサノヴァやサンバだけがブラジル音楽ではない。
今やブラジリアン・ポップ(MPB)は世界の最先端を突っ走っている。
その最先端の現場の生々しい空気を記録したのがまさにこのアルバムなのだ。
イマドキのストリート・ミュージシャンに是非、お勧めしたいアルバムです。
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知り合いのバンドさんが、レニーニさんの楽曲をカヴァーされてて、
この『魚眼』なるアルバムを紹介して頂きました。
楽曲の邦題は、
1・「君が信じなくても」
2・「最後の日没」
3・「港の蜃気楼」
4・「魚眼」
5・「不安」
6・「美しいものとは」
7・「カリブの国〜トゥアレグ族とナゴー王」
8・「高みの見物」
9・「北のライオン」
10・「波の花〜石と砂」
11・「遼遠なるもの」
…の全・11曲です。
レニーニさんのアルバムは他に“打ち込み系”もありますが、
この“レニーニ&スザーノ”名義であるアルバム『魚眼』は全曲、生音です。
ブラジル音楽ですから当然ジャンルは“ラテン”であり、それでいて奥底には“ロック”を感じさせられます。
最近よく見かけるストリート・ミュージシャンは、
アコギ&ヴォーカル、そして相方として「ジャンベ」や「カホーン」、「ボンゴ」といった、
“パーカッション”と一緒に演奏されてますよね?
そーいった方々に是非、お勧めしたいアルバムです。2500円弱の値打ちはありますっっ!!
アコギとパーカスの“音の組み立て”の、いい勉強になりますよ?
個人的に、2・「最後の日没」、10・「石と砂」が気に入っております。
歴史的銘盤との評価もある一枚
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ギター&パーカッションで紡ぐ歯切れの良い音像、クールなメロディラインに思わず引き込まれる銘盤。
ブラジルの土着の音楽がハイブリッドに昇華されたサウンドが素晴らしく新鮮に聴こえたものだったが
もう世に出てから随分時が流れてしまった。ブラジルのポピュラー音楽を一時、聴き漁った頃に
入手して、カルリーニョスブラウンやマリーザモンチら当時の新鋭やミルトンナシメント、イヴァンリンス、カエターノベローゾ等々の
ビッグネーム共々、よく部屋に流していたものだったが、その後当地の音楽シーンはどうなっている
のだろう。過去の音源の復刻物やリマスター再発盤が時々推薦盤でメガショップでも掛かっているが
最新の動向は不知にして存じ上げない。ボサノヴァ40周年等のイヴェント、再評価機運もあったが
まだまだ本邦ではブラジル音楽はマニアックなリスナーのものなのかも知れない。もったいない。
カッコイィィ!!
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スザーノのパンデイロ最高です。
どこからあんな小さな楽器からあんな音が繰り出されるのか。驚異。レニーニの絹を紡ぐようなギターも心地良い。激しい演奏のはずが、どこか音に礼儀を持っているような耳障り。ブラジリアン・ロックを大人の魅力たっぷりに、そして挑戦的に創り上げた最強コンビと言ってもいいのではないか。
とにかくまずはタイトルの一言に尽きる。