自分もフランス語を習ったことがあるので、つい興味がわいて買ってみました。ええ、すごくきれいな本ですよ。でもねえ、「講座」じゃないから。「心得」です。フランス語の勉強にもなりません。きれいなイラスト本で、大人になってから外国語を習うときの体験談って感じですかね。そう考えると、なかなかいいこと書いてます。「先生と友達にならない」とかね。語学学校の先生とすぐ友達顔したがる人、多いですよねえ。さすが、山本容子さん、大人だなと思いました。

なにがシュールなのか、最後までよく分からなかったが、山本容子の絵が好きな人には楽しい。語学上達の極意、と帯に書いてあるのだが、この点はあまり期待しない方がいいでしょう。

普通の人には出来ないフランス語の学び方だと思いました。たとえば、フランス語を習いはじめた1年間は週に4日間毎回に2時間ずつ個人教授を自宅に招いてレッスンする、絵を思い浮かべて単語を覚えるなどです。でも、検定試験を受けない、趣味や習い事を続けるには遊びが必要というやり方は一理あると思いました。フランス語をバリバリ勉強したい人には向かない本ですが、素敵な版画が沢山のっているので山本容子さんのファンにはたまらない本だと思います。