本作はその「Tommy」と「四重人格」の間に発表されたアルバムで当初は「ライフハウス」なるタイトルでやはりロックオペラ的な作品として製作されようとしていたもの。然乍、諸事情から計画は頓挫し、新曲を収めたノー・コンセプトのアルバムとして発表されることになった。リーダーであるピート・タウンジェンドには未だに当初コンセプトに未練がある様だが、本作はまさにバンドの絶頂期を捉えた名作で完成度では、「Tommy」、「四重人格」を凌ぐ。音的にも、当時のロックシーンではまだ実用的には使われていなかったシンセサイザーを使ったループが「ババ・オライリー」、「無法の世界」において効果的に用いられている等、創造性もピークを迎えていた時期だと思う。
彼らの存在なくしては、Green Dayの傑作「American Idiot」もまずありえない。後進のバンドに与えた影響は他に比較するものが無いほど大きいと思う。