スノー・パトロールはしょっちゅうコールドプレイと比較されるのだが、見当違いじゃないだろうか。スノー・パトロールは、もっとずっといい歌を書くし、そう自己嫌悪している風にも見えないし、しかも金持ちにも見えない。彼らの幸せにさせてくれる気難しいポップソング達は、物事のメランコリックな側面に触れがちだが、歌詞は生活の一場面を切り取った描写で素晴らしい。シンガーであり作詞家であるギャリー・ライトボディが、パンチのきいたOpen Your Eyesを歌いながら、スフィアン・スティーヴンズに「The anger swells in my guts.(怒りが俺の腹の中でふくらんでいる)」と叫ぶ。多分、コールドプレイよりは、アメリカのインディー・ロックのバンド、セバドーの方が比較の対象としてより近いんじゃないだろうか?とにかく、このバンドにはいつも驚かされる。彼らの待ちに待ったブレークアウト第3作目のアルバムFinal Strawを聴いたあとで、このスコットランド人とアイルランド人のバンドのツアーにでかけたら、彼らの巨大なロックの壁につきあたって、あれ?と思うかもしれない。Eyes Openはさらにロックに突き進んだレコードであり、これはプロデューサーのギャレット・リーに大いに負うものだが、かれらのベストなアルバムだ。人間関係で気がめいることなどあって、とりあえず近所にドライブに出かけるときなどに迷路に入るには最適の一枚である。
優しい音楽
★★★★★
USAバンドに有りがちな、強制的盛り上がり(それはそれで良いのですが)コードと一線を画した、ジワッと入ってくる楽曲の数々。少しダウンしている時に聞くとすごく心がほぐされます。UKバンドの中でもスコットランドとアイルランド出身のメンバーとの事で、楽曲の肌触りが優しく、聞いていて心がナチュラルシフトに入って行きます。他のバンドと比較すべきものではないでしょう。2000年代にこんなナチュラルなバンドがメジャーで売れている事が嬉しく思います。アル・スチュワートやマイクオールドフィールドを思い出します。
アルバム全体に漂う雰囲気が素晴らしい
★★★★★
なんか・・・聴いてると幸せな気分になるアルバムです。確かにコールドプレイの3rdような壮大さはないけど、日常生活にあるさりげない幸せを見つけた時なような感じになるっていうか。良質なメロディーが心に沁みます。僕はコールドプレイよりこっちの方が好きです。彼らの音楽って退屈な瞬間が結構あるけど、このアルバムはそういうのがないんだよね。ロングヒットしてるのも納得です。
完成度の低さが欠点。
★☆☆☆☆
このアルバム中最大のヒット曲である3. Chasing Cars目的で買いましたが、アルバム全体の完成度の低さにあきれるほどでした。
どこかの紹介文で、こんな文を見かけました。
「コールドプレイの背中が見えてきた!」
今のままでは、影も見えません。それは、Cold Playのアルバム1作品全体の完成度が、とても高いからです。
Snow Patrolの1stアルバムは、まあまあの出来でしたが、このアルバムは(極端な言い方をすれば)3. Chasing Carsだけが売りなのです。
正直、おすすめはできません。