歴史の面白さを再発見させてくれる一冊
★★★★☆
技術史と言うとどうしても印刷術、蒸気機関、電気と16世紀以降の欧米世界を中心としたものがメインになりがちであったが、本書は8世紀のアジア世界の灌漑技術や紡織技術等さらに1000年以上遡った昔からスタートしている事、また技術内容を断片的に述べるだけでなく、技術の伝播について、またそれを輸出した国、輸入した国の状況、係わり合いについて詳しく述べてくれているのが新鮮であった。技術の伝播というのは決して一方的なものではなく、相互作用として働くということが繰り返し述べられている。技術という切り口を通して歴史を楽しめる一冊です。