セックスレスをどう乗り越えるか、著者の赤裸々な告白に脱帽
★★★★★
動物学者の研究によると、人間の男は、特定の女と3年も一緒にいるとセックスをしなくなるのだという。勿論、他の女とならできるのだ。男は子孫を残すことを本能づけられているから、ある程度時間が経つと、他の人とやりたくなるように出来ているらしい。勿論、個人差が大きく、一概にそうだと言い切って良いのかどうかは難しいけれども。
日本では、セックスレスになった男は実は深くは悩んだりしないもので(仕事とか他にすることがあるし、風俗など発散する場も多いから)、またセックスをタブー視する傾向のある文化の下では、夫婦間、ゲイカップル間で、セックスレスについて、そもそも話題にするのを避ける傾向があるから、内にこもって悩んでしまうのだろうと思う。特に、妻の側(ゲイの場合には、受身の性格の男)にとって、セックスレスは、表面には出にくいが、深刻な悩みとなり得ると思う。もし夫婦間に子供や、扶養すべき家族がいれば、我慢あるいは諦めの境地に入れる可能性もあるのかもしれないが、子供のいないゲイカップルの場合には、セックスレスはとても深刻で、厳しい悩みとなり得るだろうし、別れの原因にもなるだろう。
著者は、セックスレスでも、長続きする信頼感の上に立った長期的な夫婦関係、ゲイのカップルの関係作りは可能だ、と説く。ただしそのためには双方に、二人で生きる「技術」、覚悟、こつ、理解が必要なのだが。
セックスレスについて、これだけ赤裸々に語った本はないだろう(婦人公論とか読んだことがないため、狭い範囲の知識でだけれど)。セックスレスに悩むカップルには必読と思う。読んで悩みが解消することはないが、多少は楽になれると思う。ああ、もっとこの本に早く辿りついていれば良かった。
すべてのカップル、夫婦に。
★★★★★
大塚さんのHPを読んだのは、私たち夫婦(子供が出来ない。ふたり+猫達で生きていく覚悟)
の関係を、良い形で変化させながら持続させることに行き詰まっていた頃でした。
漫然としているだけで、育っていく関係はない。
諦めが諦めを生み、興味をなくしていく・・・。
それは、自分が実家で見て実感していたことです。
でもうちのパートナーは仕事で忙しく、自己表現も苦手。話し合いも苦手。
何回も離婚を考えました。
子供がいてもいなくても。
結婚してもしなくても。
相手と長くいるために、コツがある。
それを伝えるには、どうすればいいのか・・・・
何年もちょっとずつ話し合ってきました。
いつも話し合いになると、むっつりしてしまうパートナーが、
私の読みかけのこの本を読んでくれていました。
『僕たち、次の段階に行こう!』
何か、伝わったみたいです。本気度が。
how to本ではなく、読み物として読んでいくうちに
いろいろ感じる。そういう本です。
いつか大塚さんにお会いできたら、お礼を伝えたい。そう思います。
ずっと頑張ります。
ゲイのみでなく男女のカップルにも読んでもらいたい。
★★★★★
ゲイが二人で生きる技術という題材だけでなく
性別が同じのカップル、ヘテロカップルでも
もともとは違う人間同士が一緒に歩んでいこうとする気持ちは同じ。
二人が出会った時の高揚感、
時間とともに戸惑い・怒り・たまに訪れる感動と
何気ない月日が流れてる日々。
でも、相手がいて自分がいる、
そんな忘れがちな一番幸せなことを確認させてもらえた
そんな素敵な1冊でした。