歴史人口学権威の渾身の一冊
★★★★★
私事で恐縮だが、約20年前の学生時代、著者の講義を2年間聞かせていただいた。歴史人口学という、一般にはなじみの薄いジャンルでありながら、その講義は非常に興味深くほぼ全会講義に出席していたことを記憶している。
その第一人者の方が、おそらくライフワークとして渾身の力をふりしぼってこの一冊を執筆されたのだろう。歴史家としての使命感が、ページのそこここに感じられる。
私ごとき素人が言うまでも無く、歴史に学ばない者は容易に敗北してしまうことであろう。新型インフルエンザについても、然りである。