著者のサッカー哲学書
★★★☆☆
タイトル通り著者のサッカー哲学書である。
彼のサッカーに対する愛情と知識量はすごいと感じた。一方で、いわゆるこうあるべき理論であるので客観的な偏差値ではないかな。しかしこうであるこうであるという自信は、やはり自分の知識経験から導き出された絶対的な自信なのであろう。
日本の偏差値を、戦術、監督、選手、メディア、ファン、審判、Jリーグ&クラブ、協会、日本語式サッカー言葉に分けているところが面白い。
もっと私がサッカーに詳しければ彼の理論についていけて楽しめたのかな。
いわくつき著者の独断評価に意味はあるのか?
★☆☆☆☆
『これじゃ番狂わせも起こらない!』
表紙にこれだけ堂々と的外れなことを書いてある本も珍しいのではないでしょうか。
「0勝3敗」よりはマシかもしれませんが。
内容の方も、偏差値と銘打ってますが、ただ単に1名の著者による評価を数値化しただけ。
その著者はどんな方かと言うと、悪名高き「0勝3敗」に張り切って寄稿されていた方です。
さらに、日本代表がベスト16進出した場合は「見る目がなくてすいませんでした」とお詫びコラムを書くとまで豪語していました。
つまり、「見る目がない」ことを著者自身が認めてしまっている訳で、「見る目が無い」著者の独断偏差値本を買うことは、全くお勧めできません。
数字にするとリアルな現状
★★★★☆
各国のサッカー偏差値を、著者独自の視点(戦術、監督、選手、メディア等々)から算出し、
それぞれの国の特徴や課題、日本が学ぶべき点などを一通り論じている本。
提灯記事を書くでもなく、かといって感情的にディスるのでもなく、
なるべく根拠づけて主張しようという著者の立場には好感を覚えた。
第1章は世界のサッカー偏差値、第2章は日本のサッカー偏差値についての内容になっている。
私はサッカーはナショナルチームの試合くらいしか見ない俄かファンなのだけれど、
よその国の状況を見ていると素直に「よく出来てるなぁ」と思わされる。
特に、メディアの報道や番組がファンを育てているという側面が示唆されていて印象的。
強豪国は強くなる仕組みが、社会の中にシステムとしてあるんだろうなぁという思いを持った。
けっこう、日本に厳しい(というか、これが現実なのだろうけど)内容が多いので、
日本のサッカーはこれから大丈夫かとか、著者は仕事を失わないかとか、心配になるが、
反省点と解決策もそれなりに示されているので、読後はひとまず安心。
まずは自分自身、良いファンになれるように頑張りたいな、と思う。
相変わらずの杉山節、好きな人は好きでしょうが・・・
★★★☆☆
この人のいいところは、私心が無く、自分の信念に基づいた批評を発信し続けているところ。
各国のサッカー偏差値(この言葉自体良く分からないが…)は賛否両論として(ただ、総合的に見て
国代表レベルで日本が韓国に劣っているという指摘は納得)、後半の日本代表に対する論表は一読の
価値あり。
ただ、この人の批評を見ていていつも物足りないのは、余り建設的でないところ。
いかに岡田監督が無能であるか、いかに日本代表が世界から遅れているサッカーを
しているか、という批評は秀逸ですが、「じゃあどうする?」の部分がメチャ甘い。
スペインと日本は似ているが、日本にはサイドアタッカーがいない、と書くのはいいけど、
実際いないんだから、優秀なサイドアタッカーの外国人でも帰化させろと言うのか?
この人の本を読んで最後消化不良気味になるのはこの点です。
タイトルの付け方がしっくりこない
★★★☆☆
“「FIFAランキング」より「偏差値」の方がリアリティがある”っていうのは、
分からなくもないのですが、折角杉山氏の”独断”なのですから、変に色のついた単語を、
あえてタイトルにしなくても良いような・・・。
前半は各国のサッカー"偏差値”分析です。
“各国の「サッカー偏差値」は、その国のサッカーを構成する「サッカーの要素」からなる。
・・・戦術、監督、選手、メディア、ファン、審判、クラブ、教会、サッカー用語・・・。”
これは至言ですね。しかし、どの要素をどれだけ重要視するかは、人それぞれ。
戦術重視の『4−2−3−1』もあれば、国の文化的背景なんて見方もあったり・・・。
後半の日本のサッカーが強くなる(強くなって欲しい)ためのコメントは、
なるほどと思うことが多かったです。
オランダに0−3,ガーナに4−3、今回の欧州遠征の”親善試合”の結果。
この本読んで、”サッカー熱”を帯びてから、とことん語ってみるってのがお勧めです。