一言、一言が心に染みます
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松下さん関連の本で今まで期待外れが
ありません。当然といえば、当然で経営の神様が
語られた思想や哲学が有り難く感じないわけがありません。
さて、今回は期待をはるかに上回る傑作でした。
関西弁で愛嬌丸出しで語られる金言の数々。
今、もし生存中でツイッターをされていたら、どれだけ多くの経営者が
オンタイムで勇気づけられ、啓発されたか想像出来ません。
思うに、自分だけに語りかけられているような錯覚で
読まれると一段と松下哲学を身近に触れることが出来るのではないでしょうか?
それにしても・・・
松下さんの本は一文字一文字が生きていて、読むたびに声が聴こえてくるようです。
「あんたにもできるんやで」根底にある深い愛情を特に感じる一冊でした。
PS) PHPが設立されて江口さんが経営を任されるまでの経緯と
任されてから、そして勇退までを知ることが出来、嬉しかったです。
江口さんは松下さんの慧眼によって見抜かれた逸材の方ですが、
松下哲学を身近に実践されたお一人といっても過言ではないかもしれません。
松下幸之助はやはり偉大な方である
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松下幸之助の人となりが切々と伝わってくる。やはり名経営者であり、人間を愛し、
本当に人を大切にしたが故にここまで周囲に絶大なる影響を与えることができたのだろう。
紛れもなく、人情の機微を知るに天性の才能を持った稀代の商売人である。
側近として仕えた江口氏による大変読みやすく、分かり易い文章の中に松下幸之助の経営の
真髄を余すところなく伝えてくれる良書。
本当の師にめぐり合えることの幸せ(江口氏の著作の中でも別格)
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松下幸之助氏はもちろん、著者の江口氏の数々の著作も読んでいますが、この本は一味違った良い本です。
江口氏がPHPの一線から昨年退かれたときの思いが冒頭に出てきます。
実際には顧問にも留まらないと決断された背後に、一言後輩の汗に申し訳ないと記す美学にも心打たれました。
そして、一線を退いて松下氏の教えの深さにさらに気付かれ、それを読者と共有しようという思いが伝わってまいりました。
この本が特に素晴らしいのは、隅々まで実践的で明日からでも使える知恵が詰まっているところです。
経営者であれば、最初の金言である「声をかける」ことから始まって、「耳を傾ける」「雑談をする」など、一見見過ごしてしまうような簡単なことが組織風土にどれほどの活気をもたらすのかに深くうなずくことになります。
また、大体の方向性が合っていれば、部下の進言を喜び、部下に任せつつもよりよい結果を導くようにアドバイスすることで、組織としても正しい判断にしてしまう懐の深さには脱帽です。
世の中の組織では、正しい判断であることをまるで鬼の首をとったとでもいうように吹聴する人も多いものです。そして、そうはせずに、本当に先の先まで考えてどうしたら組織にとってよい結果を出せるのか、人間を中心に考え抜くことのすごさに感じ入りました。
一方でそこまで考え抜くのは大変だろうとも思うのですが、深刻になると難しいが、真剣になるとさほど難しくないという心構えもありで、いたれりつくせりです。
そして、最後にこうした師にめぐり合える幸運(もしくは江口氏をPHPの経営者に選んだ松下氏の慧眼)も人生にはあるんですね。
それをこうした形で追体験できるのは読書子の喜びですね。
「人間大事」という仕事・生き方の本質。
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「経営は深刻になると難しいが、真剣に対処するとそれ程難しくない」
著者からのこのメッセージは冒頭のものであるが、そのことを自ら実践し、証明してきただけに深みのある言葉である。
本章では、「人間大事」や「1000%の情熱」など、どんな時代でも変わらない、普遍性と含蓄のある言葉を得ることができる。
一見前時代的でありながら、おそらく10年後の日本が最も大切にしなければならない「価値観」が含まれている。
経営者のみならず、特に若い方にとってこそ得るものが多い書籍ではないだろうか。
まさに、「今の日本」が読む本です!
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タイトルのユニークさに、他の松下幸之助本とちがうものを感じ、手に取りました。
そしてはじめて、なぜ松下幸之助が「経営の神様」と呼ばれたのかが、自然に納得できました。
松下さんは、高度経済成長の時代の風に乗ったヒーローなどではなく、実に細やかに、自在かつ大きな視野で、経営や日本、そして世界を考えていた人でした。
こんな人が今いたらなぁ、そう思います。
でも、遅くはない。
ぜひ、若いビジネスマンや
起業しようと志を持つ人たちに読んでほしい。
松下さんの、大きな心で道を切り開いていく種をもらって、大いにまいてほしい、そう思います。
魅力は、平明なのに目からウロコの表現。
たとえば、
冷静な判断をしたあとに、そっと情を添えるんや。
区別はしても、差別はしない。
心配するより、志。
ものを作る前にまず人づくり。
拡大よりも着実さが大事。
風の音を聴いて、何かを悟る。
今の日本がいつのまにか忘れてしまって、あたふた見まわしてもみつからなくなってしまった大事なことが、この本には宝石のように散らばっています。
読み終わって、松下さんの柔らかな関西弁が、
まさに神様のつぶやきのように、リフレインして聞こえてくる気がしました。
不況に苦しみ、疲れ果て、心の倒産寸前の日本人に、
再びの松下幸之助リバイバルブームですが、
この書はその入門にも最適な書です。
さて、ユニークなのが、お茶目で素直な松下さんの一面と深い人間哲学を並立させた、なんとも絶妙なタイトルです。
意味は、中身をご覧あれ。