フィリー・ソウルなら外せないでしょうね
★★★★☆
モータウン、サザン・ソウルに続き、70s初中期に一世を風靡したフィラデルフィア・ソウル勢。その中でも目に見えて大きな成功を収めたグループの一つがオージェイズであり、更にその代表作となれば本作('72年作)、ではないでしょうか。
無論、K.ギャンブル&L.ハフという稀代の名ソングライティング&プロデュースチームの貢献なくして(オージェイズに限らず)フィリー・ソウル勢の成功は語れないとは思いますが、それとて最良の再生デバイス(何て言い方すると、アーティストには失礼な言い方なのですが他意はありません)があってこそかと。
フィリー・ソウルと聞くと、その甘めのメロディ、ストリングス導入による大仰がかったアレンジに目(耳)が行ってしまいますが、その実、歌詞は結構辛らつであったり、決してハッピーで他愛の無い事を臆面も無く歌っている訳ではないところが個人的には好きだったりします。
余りにも有名な[2]、[10]と言ったナンバーの印象が強すぎるため、そこばかりにフォーカスがあたりますが、他曲がハズレなのかというとそんな事はありません。かなりシビアな[3]や、王道的なフィリー・ソウルの雰囲気がたっぷりの[9]などもいい感じなのです。