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図説 満州帝国 (ふくろうの本)

価格: ¥1,533
カテゴリ: 単行本
ブランド: 河出書房新社
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図説が丁寧 ★★★★★
満州帝国建国までの流れを詳しく書いてあります。
ただ、記事の内容や参考文献に少し難がある箇所もありますが、それを含めても当時の満鉄の路線図などの丁寧な図解は評価できると思います。
また、このシリーズ全般は写真が多いのでそれを見るだけでも勉強になると思います。
また、満州建国だけでなく、その前後の歴史についても触れているので非常に参考になります。
本多勝一の『中国の旅』を史料として引用する本は歴史書でしょうか?(笑) ★☆☆☆☆
 満州が中国の領土に成ったのは、第二次世界大戦後の事である。歴史的に見れば、第二次世界大戦前、満州が中国の人(漢民族)の土地であった事は無い。この本が、冒頭で、「他民族社会である東北三省には、古来から北方民族によって、漢民族の中国とは別個の国家がつくられていた。」と書いて、その事を、遠慮勝ちにではあるが認めて居る事は正当である。(8ページ参照)しかし、この本は、全体として、日本を一方的な「侵略者」として見なす「東京裁判史観」で貫かれており、公平を欠いた記述が余りにも多い。例えば、張作林爆殺がソ連の謀略であったらしい最近の研究が反映されて居ない事は仕方が無いにしても、張作霖爆殺を河本大佐の仕業であるとする従来の「定説」を自信満々に書いて居るのを今読むと、この本の著者達を信用出来無く成る。
 他にも、例えば、満州事変前夜の満州で、満州住民が、張学良の支配下で、張学良が発行した不換紙幣によって生じたインフレに苦しめられて居た事にこの本は言及して居ないし、1945年8月9日のソ連軍の満州侵攻が、日ソ中立条約に違反する行為であった事もこの本は明記して居ない。当然と言ふべきか、満州に侵攻したソ連軍が、子供を含む多くの日本人女性を強姦、輪姦した事についての記述は、驚くほど簡単である。(135ページにソ連軍が「慰安婦を差し出せ」と要求したとする記述が有るが、1945年に、ソ連軍は、「慰安婦」等と言ふ戦後の単語を使ったのだろうか?)
 笑ってしまったのは、110ページで、本多勝一の『中国の旅』(朝日新聞社)の一節を引用して居る事である。本多勝一の『中国の旅』を史料として引用する歴史書を、私は、信用しない。(笑)

(西岡昌紀・内科医/戦後61年目の夏に)
ちょっと物足りない。 ★★★★☆
 「紫禁城の黄昏」などを読んで、この本に入ってくると、満州族出身の清の王朝の復活を日本ではなく満州族が望んでいた・・・といった裏面がぼけているように思える。
 この本は、あくまで「満州帝国」のありのままの姿を示そうとしているので仕方ないのかもしれないが、その目的の部分については、満点の出来だと思う。
 しかし、初めの部分が物足りないのと同様、最後の部分も物足りない。当時のソ連が、一方的に条約を破って侵入し、日本人民間人にいかに残虐な行為を働いたのか、その後の奴隷的な拘束を続けたことは国際法上許されない・・・・といった満州国の終末についても記載が充分ではない。
 そういう点は別にして、満州国がどういう国であったかは大変よく分かる。
 
写真が多く文章も簡潔に書かれています。 ★★★★☆
満州国ってなあに?という人がみるのには大変いい材料となります。ただ、満州国は王道楽土の理想郷であったとおもっているひとがよんだりするのにはむいていません。しかし、日本のことをこれでもかこれでもかとこき下ろすわけでもなく、割合淡々と簡潔明瞭にかかれていますので文章としても読みやすく、写真が豊富に挿入されているから当時どういった生活をしていたのかといったことがよくわかります。かなりの良書ですね。
「満州」を見直すためのスタンダードな本 ★★★★★
本年(2005年)はポーツマス条約100周年です。日本が、おおでを振って「満州」に出て行ってから100年になるのです。そのような時、「満州」を振り返るにあたって手頃な(少しがんばれば2日で読める)書物としてベストに近い本です。たくさんの写真を見ながら、時代を追って、清朝の始まりから日清、日露の戦争を経て、日本が軍を先頭にしてどのように満州に進出し、そこで何を行ったかを(そして、少し考えれば、何を行わなかったかも)たどることが出来ます。事実を記述して良くできた概説本です。

日本の(また、中国の)国民の姿の描写は、この本では国家や軍隊がおこなったことに比べ多くはありません。が、実際に「満州」を経験された人々が、別の書物などでいつわりのない経験を書き残しておられます。しかし、終戦時の大本営情報で132万余の日本人居留民が「満州」に居たことを思えば、書き残されていないことの方が多いのです。それはさておいても、それらの書物などで庶民の生活がどうであったのかを補えば、「満州」が何であったのかを考える主要な情報は与えられたことになると思われます。

私の親も含め、「満州」を知る人々が減ってゆく時代です。中国人の友人によると、その高齢なお母さんは、「満州」で日本人がしたこと、日本人にされたことを忘れられず、未だに日本を(日本人をも)決して許せない、とおっしゃるそうです。ところが、それらを含め中国で当時起こった多くの事実を直視し、それら事実や経験に基づきその道をくり返さないよう考えることを自虐史観と称して批判する人々がおります。それら批判の正否を含め、いわば「満州」100年とも言える今年を契機に、もう一度、「満州」を見直すことは、日本と日本人の21世紀にとって大きな意味を持つと思われます。そのような時、この本が提示している事実を徹底的に批判的に読んでよいと思うのですが、そのひとつの入り口として、またスタンダードとして格好の書物と言えます。