著者が体験したフランス人と食の思い出
★★★☆☆
「お金」というより「手間」と書き換えた方がしっくりする内容。
というのも、本書に出てくる料理には、アンチョビや黒オリーブなど安上がりではない材料が必要だから。
吉村さんがフランスで体験した思い出が詰まった1冊。
レシピは参考にしますが
★★★☆☆
パリ生活20年の経験から紹介される家庭料理の数々。
地方の料理の紹介が目新しい。
著者の一連のエッセイでは、単なる礼賛ではなく、
実質を重んじようとするフランス人の姿勢に
共感しているようであり、
それが結果、日本人批判になることもあるようだ。
ただ本書の場合、簡単レシピはありがたく参考にするのだが、
時々、前後の文章に脈絡がないところがあって、
読んでいて不安になるところが残念だ。
紹介されている簡単レシピで料理をつくりたくなります
★★★★☆
「サラミがあって、買いたてのバゲットがあればいいんだわ。それとレタスがあれば、それだけで最高よ」という留学先で出会った友人の言葉と、ご本人の《それにしてもフランスで、野菜や果物やハムやサラミがあれほど美味しくなかったら、私のパリ生活もそう長くは続かなかったにちがいない》(p.41) というところに、この本のエッセンスがあります。
胡瓜だけ、ニンジンだけのサラダ、長ネギのホワイトアスパラ風熱々サラダなど、切るか茹でるだけで、あとはドレッシングかベシャメルソースで食べるだけという、レシピいらずのメニューが紹介されていることが多いのですが、いともたってもいられず思わずつくってしまうぐらい美味そうに書いてある。
レバノンは宗教がグチャグチャだけど、ユダヤ人もイスラム人も食べられるよう、料理はひよこ豆やゴマ、山羊乳のチーズやヨーグルトなど平和的な食材でなりたっていて、しかも美味いというのは知らなかったな(p.111)。こうした料理が好きなベジタリアンは早寝早起きの人が多いとか。
フランスでは革命以来、政教分離(ライシテ)が徹底しているけど、金曜日の給食には宗教的な意味合いから肉ではなく魚が出るというのは意外 (p.142)。あと、フランス革命ネタでは、ブルゴーニュの教会に寄進されていた葡萄畑を国家が没収して農民たちに分割されたという経緯があるので、今でも境界線が入り組んでいるとかも(p.154)。
内容はいいのですが
★★☆☆☆
何節かごとに自分の店の名前をちょこちょこ出すのが気になる。はっきり宣伝している訳ではないが、これは宣伝だろう。作者の良識も疑うがこんなことを許す出版社もどうかと思う。内容はいいが店の名前が出るたびにまたかよと怒りがわく。