1次変換、数論、集合論、解析学の基礎を概説しています。

大学でも、数学科や物理科しかやらないような内容(ε-δや対角線論法など)が出てきます。今までの5冊に比べると、やっていることが高級な分だけ多少難解です。ただ、個人的にはこの巻が一番出来がいいのではないかと思います。

数学には様々な分野がありますが、それぞれの分野を概説するガイダンスのような内容です。解説は相変わらず平易で、証明も適度に添えられています。練習問題はあまりありませんが、解説にある証明で各論法の威力を知るには十分です。

あと、6冊全ての索引がこの巻についています。索引には2つの使い方があって、1つは当然各項目のページを調べるためのものです。もう一つは「索引の項目を、何も参照せずに自分で説明できるか」という問題としての使い方です。この総合問題が出来て初めて、その本を理解したと言えます。是非チャレンジしてみてください。

一般的な高校生が学ぶ、解析学（微分・積分）中心の世界から若干
離れてしまいますが、大学以降で数学を学んだり利用したりする時
必ず必要になる、行列と集合論に関する議論が、平易な点が良いと
思います。
特に高校生に読んでもらいたい本です。