ホラーロックというと多くの場合ただ暴力的になってしまうことが多いが、この Queen Adreenaの『Taxidermy』は、ドイツの名ホラー映画『Nosferatu』や『The Cabinet Of Doctor Caligari』といった、ただ気持ち悪いだけでなく、徐々に闇に陥っていくような新のスリルを思わせる正統派だ。実際には、黒魔術のような雰囲気の『Friday's Child』や『Cold Fish』では、Katrina Jane GarsideとCrispin GrayのDaisy Chainsaw時代の激しいギターサウンドが聴かれるのだが、Garsideがあくまでオカルトを追求した結果、『Taxidermy』には恐ろしさが感じられる。短い映像が収録されており、Polly Harveyのベルリンのステージのように、Garsideが自信たっぷりに「I'm in love with Jesus / I only fuck God」と歌う姿が見られる。Louis Pattison