完全に閉じた二人だけの歪な世界
★★★★★
美少女文庫にも多数執筆している作者だが、その目で本作を見ると大きく誤る。本作は主人公とヒロインの他には、途中で夫がちょっと出てくる以外に登場人物なしの密室物でかなりハード。過去に他作者で同様の作品が幾つか出版されている。ストーリーはないに等しい。ヒロインの若妻を誘拐してから最終日まで凌辱が延々と続く。いつでもどこでもいつまでも続く。ページのどこを開いてもそのシーンである。主人公はヒロインに対し歪んだ愛情を持っていて、ハードに迫りはするが見下したり侮蔑したりすることはない。そして、圧倒的に描かれ続けるエッチシーンにあって、最後のシーンは圧巻の一言。ページもかなり割いてクライマックスを演出している。読んでいるこっちがどうにかなってしまいそうである。