悪くはない。それ以上ではない。文章も展開もいいけど、ヒロインの懊悩が薄いので、背徳感があまりなく、淡々と読み終わってしまった。

もう、のっけからわくわくさせる容姿の表現。
こんな人が！？ここまで！！？？という、驚きと、裏腹ににや〜っとしてしまう読者の喜びと…！緩急つけて読者を惹き付けます。
夢中になり、もったいなかったけど一気読みしてしまいました。
次回作にも期待したい。

挿絵は表紙とほとんど一緒だと感じました。まあほんのちょっとだけ違うようにも感じましたが・・・もう少し枚数を増やして欲しかったですね。文章が良いので、挿絵をもっとサービスすれば、もはや非の打ち所が無い作品になったでしょうに。この本の作者、御前さんは、絡みシーンの描写がとても上手ですね。文章自体に艶があるといいますか、見せるシーンでは激しく見せて、想像させるシーンでは文章の切り方がとても絶妙。一挙手一投足までリアルに感じ取れるくらい、情景描写が上手だし、あとは感情描写もとても上手。人妻が、最初は嫌がっていても、体だけは感じてしまい、次第に心まで沈んでいく様が段階ごとにすごくリアルに表現されています。官能小説でも、ただ絡みシーンがあるだけじゃ嫌だ、それなりに起承転結があった方がいい！という方は、是非この作品を読んでみてください。（他の御前さん作品もお勧めですよ。）