もう完全に惰性で読んでいる、好きだからしょうがない。読者の想像力に頼りすぎ、エッチなシーンを読み飛ばすのは当然として、繰り返しが多すぎる。驚くような展開がなにもないだらだら続くドラマとして安定感抜群。

作者の綿密な調査に基づいた、数万年前のヨーロッパを舞台とした物語です。地形・動植物の名前・自然現象など、専門的な用語も多く使われていますが、わかりやすく描写されていますし、翻訳も違和感無くすんなりと読めました。
数万年前が舞台とはいえ、やはり人間の物語ですからこれまで大きな争いや犯罪がないのが不思議でしたが、ついにこの巻で！
これまでも数奇な運命のもと、いろいろな偏見にも負けずがんばってきたエイラですが、今回は攻撃的な一族がエイラとジョンダラーの前に現れて・・・ジョンダラーとエイラの運命は？下巻もとても待ち遠しいです。

３万５千年前のヨーロッパを舞台に繰り広げられる、クロマニヨン人の少女が主人公のこの物語。自らの種族の記憶を持たない孤児の少女が、ネアンデルタール人に育てられ、ヨーロッパを縦断する波乱万丈の人生を生き抜いてゆくという実に壮大なストーリーだ。作者は古代の資料をあたりながら、忠実に往時の生活を再現しているということだが、同時に人類の進歩を主人公のエイラにかぶせてオオカミや馬を友とし、火打石を発見させている。食料や薬草の知識、癒しの技など、あまりに聡明なエイラだが、ピンチに陥ったり、差別にあったりした時、読者は誰しもともに苦しみ、彼女を応援し、再起を願わずにはいられない。翻訳者は１部、２部、３部、そしてこの第４部と変っているが、物語の魅力はいずれも損ねてはいないようだ。発刊のインターバルが長いので、細かいニュアンスまで記憶に残っていないためかも知れないが‥。この巻に至って、そろそろ佳境に入ってくる予感がするのだが、更なる仕掛けで読者を魅了してもらいたいものだ。