知っている事も多かったですが、それでも半分以上は知らない事でした。
決して読みやすい本ではありませんが（その主な理由は、論点別に項目が分けられていなかったり、誰の言葉の引用かが分かりにいためだと思われます）、内容が理解できない、という程でもない。

チャイコフスキーについて理解するために必ず一助となる本でしょう。

ただ残念なのは、チャイコフスキーの手紙の全文、あるいはその大部分の抜粋でもあればと思ったのですが、そういったものはまったく載っていなかった事です。

もう一つは、著者は本来ならばチャイコフスキーの政治観や趣味などについても紹介したかったけども、紙幅の関係上それを断念したと語っているように、どうしてもチャイコフスキーの生涯全般の記述をする、というこの本のコンセプト上、削らなければならない情報が多かったようで、突っ込んだ内容、幅広い内容についての情報はここでは得られない、という事です。何でも書かれた原稿の多くを削られたとか。

チャイコフスキーの宗教、政治、社会、思想、恋愛、趣味、建築や絵画などに対する意見や感想も知りたかったので本当に残念です。

その代わり、曲目情報は充実しています。

よく調べてあって良い本ではないかと思います。
確かに読みにくいです。
伊藤さんは東京大学卒ですから…堪えて読みましたよ。
（外語→東大の米原万里さんの文章は読みやすかったなぁ）
時間をかけて読めば読めます。

ショパン、モーツァルト、リストの３つを読み、とても良かったので引き続きチャイコフスキーを読もうとしました。
しかし、これはあまりにも読みにくすぎます。
じっくり読まなくては全く内容が理解できません。
見開き２ページを理解するのに、僕のように読む速度が遅い人では３０分とかかかっちゃうかも（＾＾；
<<○○>>の部分はチャイコフスキーが残した手紙の引用らしく、チャイコフスキーが残したナマの言葉（とはいえ和訳ですが＾＾；）で読めるのがウリかもしれませんが、
読みにくくて、内容が理解できないのでは本末転倒です。