ところで、虫屋台で売っていた虫のなかでいちばん
美味しかったのは何かの幼虫であった。
本書を読んでいたらこの幼虫の正体が判明した。
これは竹の中で生活するタケツトガという蛾の幼虫だという。
これを油で揚げたものは一見かっぱえびせんに見えない
こともない。味はチーズのようであった。
次回は本書で紹介されているスズメバチを食べてみたい。
だから今年はスズメバチの一大産地だと言われている
雲南省に旅することになろう。
本書の著者は昆虫機能の産業的利用を研究されている
そうだ。人類は食料が不足すれば昆虫を食べるほかない。
著者の研究は将来絶対に役立つと確信する。
タイトルは「虫を食べる文化史」であるが、虫を食べる部分は
全体の三分の一程度である。私としては全編虫を食べる
話にしてもらいたかった。そのぶん☆を一つ減らした次第である。