宝を探しに遠へ旅するおじいさんと、宝のありか
★★★★★
貧しい「アイザック」じいさんは、都の「宮殿の橋のしたで、たからものをさがしなさい」という夢を信じて、遠い都まではるばる出かけますが……。
宗教画を思わせるような重厚な絵。選び抜かれた、短いシンプルな文章。シュルヴィッツの絵本からは、絶対的な存在に対する祈りが感じられます。その敬虔さは本物だからこそ、幼い子の心にも、静かにしみわたっていくようです。
宮殿衛兵の隊長の言葉で、アイザックは目覚めるのですが、この、いかにも人のよさそうな隊長は、誰だったのでしょう? 感謝の念からアイザックの建てた「いのりのいえ」の銘文は、自分にとっても、祈りの言葉となりました。真の芸術的すばらしさを持った本です。
味わいのある絵本です
★★★★☆
本を開いて、ぶっ飛んだ。
見開き真っ白。右下に一行「むかし、おとこがいた。なまえをアイザックといった。」色もない。変わってるな、珍しい絵本だなと思った。
次のページからは、ちゃんと(?)色のついた絵が描いてあるだけに、余計にこのページの印象は強いです。
メーテルリンクの「青い鳥」は、幸せは近くにある、という結論だけど、このお話は似ているようでもう少し深いかも。
アイザックはただ貧しいということの他に説明もなく、たからものが授かるお話とは縁もなさそうだけど、たからものを見つけてからのアイザックの行いは、誠実で感謝に満ちていて、きっとこういう男だから宝物を授かったんだろうな、と思わせられました。
そして、やっぱり「信じること」そしてそのために「努力すること」もやっぱり必要なんでしょうね。
ことばの宝物
★★★★★
図書館でこの絵本と出会いました。表紙を捲るとそこに「都へゆき、宮殿の橋のしたでたからものをさがしなさい」・・・と書かれているのを読みワクワクして借りました。
どんなたからものなのか、どうやって見つけたか・・・すべて話して
しまうと読む楽しみがなくなってしまうので、是非、お読みになって
確かめてください。
アイザックがたからものを見つけた後、かべにきざんだ言葉が私の
宝物になりました。