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漂泊の王の伝説

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本
ブランド: 偕成社
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物語る才の備わった人 ★★★★★
 砂漠にある小国キンダの王子であるワリードは民衆にも慕われている。また詩人としてもその将来を嘱望されている。
 彼は、詩の大会に出場したいけれど、父王が許してくれません。そこで、王国でコンテストをし、そこで優勝したなら、国を出て大会に出るという条件を出し、父王を説得します。
 誰もが、ワリードの優勝を疑いませんでしたが、そこに現れた見知らぬ詩人によって優勝をさらわれてしまう。次の年も、そしてその次の年も。
 嫉妬に狂ったワリードは奸臣の言葉に誘惑され……。
 実に物語らしい物語です。読書する喜びを満たしてくれます。作者がこれを発表したのは二十五歳の時。物語る才の備わった人なんですね。
 映画にもしやすい物語ですが、映画にしてしまうとつまらなくなること必至の物語でもあります。(ひこ・田中)
責任のある行動 ★★★★★
児童書とはとても言えないような力作です。

物語は、アラビアの小さな王国キンダです。
そこの王子でワリードが、主人公です。
彼は、若さ故か自分の天分、才能を過大評価し、詩の大会で絨毯織りに敗れたことで、大きな過ちを犯し彼を死なせてしまいます。その後、残された絨毯を追って漂泊の旅に出ます。
そこで、彼はその絨毯織りの息子たちと出会います。
そうした中で、そして漂泊の中で彼は、自分の責任を重く感じ悔い改めて行きます。

この小説は、自分の行いに対する責任の問題、生きてゆくと言うことがどういうことなのかを考えさせてくれます。
奢りのない責任ある行動を取るためには、どういう考え方で毎日を生きてゆけばいいのか?

小説は、成長したワリードが、詩の大会で、かつて絨毯織りが浴びたと同じような喝采を浴びるところで終わります。
テクニックだけでなく、そこに「心」がなければいけないと言うことでしょう。
そのためには、それなりの人格を高める努力が必要なのでしょう。
美しい物語!! ★★★★★
過去の実在の人物をイメージして生み出されたエキゾチック・ファンタジー、という雰囲気ですね。

描かれるのは、砂漠に暮らす人々の日常と美意識、生と死、彼らと係わる砂漠の精霊「ジン」、そして人類の過去と未来・・・時間と空間、運命と可能性、それらを織りあげた神秘の絨毯が見せる驚異の世界・・・かな?(笑)

冒頭から強烈です。まるで映画かアニメのような印象的な展開が随所に見られます。気がついたら、周りの空気が違っていることに気付くような不思議な瞬間があっておお〜っと唸ってしまいます。翻訳者による解説を見ると、作者は日本のアニメや漫画のファンらしい・・・。(笑)

様々な体験をし、印象的な言葉や人物に出会い、少しづつ変わっていく主人公。読み進むうちに単なる物語ではなく、なんだか哲学書か何かのような雰囲気が漂ってきます。段々と、背筋を伸ばしながら読んでいる自分に気付く・・。(笑)

結末は非常に美しい・・・砂漠によって浄化されたような主人公たちの表情・・・。

爽やかな後姿を見送って終われます・・・・。
大人もおもしろいアラビア冒険物語 ★★★★☆
スペインの作家による、アラビアを舞台にした冒険物語。
国民から尊敬の眼差しを受けていた王子は心は広く、見聞もあり、武術にも長けていた。
もちろん、美しい詩を作ることも国一番と皆も、王子自身も思っていた。
そして、彼は詩のコンクールを開催。
これが、彼の運命を翻弄することになる。

イスラーム文化では、詩の朗読会が非常に好まれるのは知っている。
私自身がイスラーム圏の知人の朗読会を見に行ったり、授業でも詩の解読をやったりした経験があるので、詩が事の発端であるという内容に惹かれた。
そして、不思議な運命が紡ぐ、聡明な人々との出会い、王子の精神的成長を通して、読者の子供達が学ぶ点が大いにあると思う。

この世界の雰囲気は、ミッシェル・オスロ監督のアニメ映画「アズールとアスマール」をほうふつとさせる。
美しい色彩の画面に、すっきりとした文体。そして作者の伝えたい思いが乗って場面が展開していくという想像を頭の中で巡らせました。
この映画を見てから、読むのは想像の手助けになるかもしれませんよ。
スペイン語で書かれたアラビアンナイト外伝 ★★★★☆
前イスラム期のアラビアのキンダ王国のワリード王子は,得意の詩比べで絨毯織りの職人に敗れて怒り, '人類の過去と未来の総て' を織り込んだ絨毯の製作を命じる.織り上がった時絨毯織りは死んだ.そうしてこの魔の絨毯は姿を消した.王子は国王になったが,良心が咎めて政治に気が入らず国は滅亡.以来さすらいの王は贖罪のために魔の絨毯のありかを尋ねて旅を続ける.絨毯織りの三人の息子と会い,アラビア随一の美女を得て,ついに探索に成功する,と言う物語.詩比べで始まり詩比べで終るなど,構成も見事で,砂漠のジンたちも大活躍.面白いはずなのだが,訳文が堅苦しくて生気がない.これを気にしなければ勿論お勧めなのだけど.荻原規子さんの名作 'これは王国のかぎ' がやはりアラビアンナイト外伝なので比べてしまうと困ったと思う.私はスペイン語が出来ないので,英訳で読んで見ようかと考えている.追記:英語版は素晴らしい出来だった.