ある日、おばあさんにこしらえてもらったあったかいおだんごスープをのみたくなり作ってみた。
自分のためだけに。
するといいにおいをかぎつけて小さな小さなお客様がやってきた。日を追うごとにおじいさんを訪ねる小さなお客様が増えていき、同時に増えていく洗い物のお皿たち、そして.....。
寂しかったおじいさんとキッチンやお部屋がどんどん明るさと温もりを取り戻していく。スープの湯気ですっかり心も温まる珠玉の物語。
すばらしい挿絵はカントリー、アンティーク好きな方も必携の1冊。
最愛の妻をなくしたおじいさんは、妻であるおばあさんの作ってくれたおだんごスープが食べたくなってしまいます。試行錯誤して買い物に行き、苦労して作っていざ食べる時になって、不意のお客様。
おじいさんの温かいもてなしの心。そして物語の楽しい繰り返しが幸せな一冊です。
スープを作るたびにお客さまは増え、そのたびにおじいさんは作り方を思い出してゆきます。そして最後には……。
子どもの好きな繰り返しのある絵本です。半年くらい前に図書館で借りて読んだのですが、「おばあさんがつくってくれた、おだんごスープがのみたいなあ」というフレーズがいつまでも心に残っているようで、娘は今でもこの言葉を思い出したようにつぶやいています。私もなぜかいつまでも気になっています(だからここでこうしてレビューを書きたい気持ちになったのですが)。
星5つではなく4つにしたのは、絵柄が個人的に好みじゃないためです(市川さんごめんなさい)。