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お言葉ですが…〈別巻2〉

価格: ¥2,310
カテゴリ: 単行本
ブランド: 連合出版
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まだまだ高島先生には教えられることが多い ★★★★☆
 本書の著者・高島俊男氏が週刊文春に連載していたコラム『お言葉ですが…』が打ち切られ、掲載分を集めた文芸春秋社の単行本の刊行も第10巻をもって2006年に終了したとき、大変悲しい思いをしたものです。
 しかし、その後著者が文春以外の媒体に書いた文章を集めて連合出版が『お言葉ですが…別巻』シリーズを出していたことを不明ながら知りませんでした。

 本書はその連合出版の<別巻2>です。
 著者の深い知識と辛口の批判精神でおもに日本語や漢字の使い方などについて綴った文章は今回も健在。

 <別巻2>で感銘を受けたのは「戦後国語改革の愚かさ」と題して記された当用/常用漢字政策の経緯と難点です。
 森鴎外の「鴎」の字は左側の内側が「メ」の字になっていますが、これはもともと「品」と書くのが正式であったもの。「メ」の字はあくまで、手書きで急いで書く時の略字として用いるものでした。しかし、当用漢字表を作成する際に、筆記用略字の「メ」を正式な印刷字体にまで用いることにしてしまったというのが経緯なのだとか。
 筆記略字が印刷字体になった同様の例としては「シメスヘン」の「ネ」などがあるそうです。

 戦後に漢字廃止論が叫ばれ、やがて本当に漢字が全廃される社会へと移行するトランジット期のための当用漢字が、常用漢字となってとりあえず漢字社会との訣別思想にはピリオドが打たれたようですが、著者が指摘するように漢字の改革は「過去の日本人との交通」を切る結果を生んだことは否めません。

 そういう文化的背景をもった社会に私たちが生きているということをどこかできちんと意識することは必要です。そのことに思いを至らせる本書は大変勉強になりました。
衰え知らぬ筆致は健在 ★★★★★
日本語ブームの先駆けとなった高島先生のコラム集の待望の続巻。
本作は別巻の名の通り、「お言葉ですが…」それ自体は収録されておらず、氏の寄稿した随筆が主になっている。
主に前半には『諸君!』に連載された「退屈老人」シリーズが、後半には上記の通り、各種雑誌に寄稿した随筆が収録されている。
さて、本著でも最も印象に残り、また、力が入っている作品は、何と言っても戦後の国語「改革」批判であろう。
この改革批判は、他には福田恒存氏の業績が何よりも名高いが、氏もこれに続いたことになる。
読者諸氏も、出来ればこの論を介して、日常触れられている国語の持つ根本的な問題に考えを巡らせて欲しいと痛感した一作である。
(尤も、このような戦後「改革」の影響を露骨に受けた「国語」で書かれた私風情のレビューを、氏が喜んで下さるとは到底思えないが)

著者の健在、健筆を喜びます ★★★★★
日本語ブームの先駆けとなった高島俊男さんの『お言葉ですが・・・』の別巻2です。
前半は、言葉に関することだけでなく、
意表を突く楽しい話題が盛られた随筆集となっています。
「工具書」(reference book)の章では、
様々な辞書、辞典類の紹介があり、ほしくなりました。
所有することによって知識が増えたような気がして、幸せな気分になれそうです。
後半は、「戦後国語改革の愚かさ」として、
主として当用漢字(のちに常用漢字)が、いかに杜撰で、
日本語を破壊するものであるかが力説されています。
その証拠として「【参考資料】戦後略字・正字対照表」が付けられています。
漢字検定などで遊んでいるヒマがあったら、
この表を熟読玩味すべきでしょう。
巻末に「宋江實録」が掲載されていて、『水滸伝』マニアは、必読です。