少女マンガの王道だから作者様もっと自信を持って。
★★★☆☆
少女だったころ、「太刀掛秀子」さんが好きで「りぼん」の発売日がとても楽しみでした。
可愛い絵の可愛いストーリーが好きでした。
長い長い年月とともに作者の名前すら忘れ、
あるときネットでたまたま「太刀掛秀子」の名前を知り、とても懐かしく、
あのころ感動した作品がもう一度読みたいと多くの作品を買い揃えました。
「りぼん」のときも、大人買いした今回も期待で一杯な気持ちで読ませていただきました。
古いとは思いましたが、これはこれでいい作品だと思いました。
優しい目をした女の子、男の子。可愛い子供の絵も大好きです。
ところが、今は現役を離れられた作者様の「あとがき」にガッカリ。
この当時の作品が作者様の恥だというのです。
確かに昔の作品は恥ずかしいことも多いでしょう。
しかし、ワクワクしながら購入したファンに対して、恥だとか、独りよがりだったとか、目を疑うお言葉の数々正直驚きでした。
こんなに恥ずかしいと思っておられた作品を楽しみにしていた少女だったころの私たちの気持ちを作者様は考えられましたか?
自分の作品に愛情をもって、自信をもって発表して欲しかった。
それが読者に対するマナーなのではないでしょうか。
プロとして失格だったと謝っていただいてもちっとも嬉しくなかったです。
作者さまは、「当時は自意識が強く独りよがりだった」などと書かれていましたが、今の貴女のほうが・・・・。
貴女が恥じてやまない作品を文庫にまでして再販しないで。
改めて読めたことがとても嬉しかっただけに、残念に思いました。
ありがとう
★★★★★
小学校低学年の時読んでました。
当時の自分からすれば、
「継母からいじめられる主人公」というのが衝撃的で、
「るりちゃん(主人公)可哀相、おかあさん(継母)ひどいー」と思って
読んでました。
とはいえ、この継母が
結構気の毒なキャラ設定になってるんですよ。
意地悪な顔して主人公にあたりますが、
泣いたり苦しんだりしてる表情も
ちゃんと描いてある。
主人公に意地悪する理由もちゃんと描いてある。
おかげで子供ながらに、この継母さんをどーも嫌いきれなかった。
それに、この継母さんと
主人公のお父さんの間に出来た、
主人公の異母妹。
この子がまた
可愛いくて可愛いくて気の毒!
継母と異母妹を
徹底的に意地悪であくどいキャラに設定して、
ひたすら主人公をいじめる話にすれば、
もっと話は長引いたかもしれない、と思います。
でも、作者はそんな
子供騙しな設定をよしとしなかった。
だからこそ物語の後半は流れが停滞した感があります。
←後半になると
主人公の恋愛がメインになった。
要は継母さんが
意地悪をトーンダウンしてしまった。
勿論それもやむなしの理由あり。
恋愛まんが、としてではなく
どうも私はこれを
家族をテーマにした話、として読んでたみたいですね。
20年近く経ってそう思う。
大人の私は
物語ラストの継母さんの
「私がしてきたことは」
の台詞に泣きます。
旦那!なんでそんな大事な台詞、こんな後になって言うんだよ!
最後ですが、絵が好き。
太く柔らかい主線に
細い補助線、
黒塗りのバランス、
効果線の入り方、
コマのわりかた、
凄く好きです。
少女マンガの原点
★★★★★
読んだのは小学生の時だった。さらさらの金髪に空色の瞳を持った主人公るりにどれだけ憧れただろう。花ぶらんこのある素敵な洋館に住み、いつも可愛らしい服を着て、どんなときにも優しさを失わない少女。惣せんせいに淡い恋心を抱きながら、妹、唯の気持ちを思いやり邪魔をしないようにする、完璧な女の子。今でも憧れの少女像である(注:私は女です)。当時は唯ちゃんの方に年齢が近かったので、あの子の恋心というものはちょっと理解を超えたものだったが、今なら痛いほどわかる。
この作品の読者の心には、きっと一生、夢のような花ぶらんこがゆれ、花びらが舞い続けることだろう。
そうして、皆、自分の道を・・・
★★★★★
唯を失ってショックを受けているのは瑠璃の継母(唯の母)だけではなかった。悲しみや、つらさから逃げることなく生きることを教えてくれたのは、かつて「花ぶらんこの魔法」を教えてくれた少年だった。その少年は・・・・。義兄、継母、宗一郎、そして瑠璃が自分たちの幸せに向けて歩き出した、完結編。