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大江健三郎・再発見

価格: ¥1,470
カテゴリ: 単行本
ブランド: 集英社
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大江健三郎を崇めず、かつよく知ること。 ★★★★★
近年、大江健三郎を人格者として捉えようという風潮があるようだが、それはどうかと思う。彼の作品をあまりに「私小説」として読みすぎているのではないか(もっとも、小説に出てくる大江風の人物が好人物とは思えないが)。対談や鼎談で見るかぎり、大江は、子供じみたことを平気で言うし、近年はさほどでもなくなったが、他人に対して執拗に幼稚で攻撃的な態度をとったりする。しかし、彼の生み出す小説が素晴らしいのは否定のしようがない。いまや学者が「古い」と批判するような文学理論や作家に固執し、そこからまさに想像力の賜物というべき「新しい」小説を生み出している。この本は、そんな彼の創作に対する態度を垣間見れるもので、読んでいると過去の作品を再読したくなってくる。

ただ、あの小森陽一が大江を持ち上げる以上のことをせずに、褒めちぎり大会に堕しているのは残念だ。

このような本を読むたびに、今の時代に、大江と三島由紀夫が対談できれば…と思ってしまう。三島は、まさに作品と生き方を無理にでも結び付けようとした、ある意味ではもっとも「私小説家」らしい作家だったと思うからだ。特に、もう一つの鼎談を読むと、大江を外から見つめることのできる存在は、いまや外国の作家や文学者にしかいないのかと思える。
大江文学入門に最適! ★★★★★
難解な大江文学を優しく解説してくれています。

この本を読めば大江文学に挑戦しようとする気持ちになる人がきっと多く現れると思います。

冒頭に氏の小エッセイがありますが、文章から「暖かさ」が伝わってきました。