外国人（アジア、非欧米のという意味で）子女の生の声、携わる日本人の示す課題、家庭環境と学校・日本人社会、どうなっていくのか、複雑に絡み合ってこの問題の解決方法を見えにくくしている。また日本社会と外国人という単純な図式ではないということがわかる。外国人と十把一絡げにして考えるのは適切ではない。出身国、日本に来た経緯、来た時期、家族構成すべて違う。それが大きく影響している。特に大きな要因は日本語の習熟度、経済力、教育・学校の対応力、そして母国語の習熟度と感じる。特に経済力の重要性に嘆息。そこが欧米系外国人との大きな差である。このままでは再び経済力格差の負の連鎖が続く。それは決して日本社会にとっても良いことではないし、何も外国人の子供たちのみの問題でもない。ＯＯ系日本人という概念がない日本社会でこの問題はどう展開していくのであろうか。考えながら是非読んで欲しい良書である。