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The Disuniting of America: Reflections on a Multicultural Society

価格: ¥1,661
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: W W Norton & Co Inc
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落日のリベラル ★☆☆☆☆
アメリカ政治史の泰斗シュレジンガーJrの本書での攻撃対象は、「多文化主義」である。彼自身が反共リベラルとして自負するニューディール・リベラルの理念は、「多数による統合」であった。「アメリカニズム」的な統合を破壊するもの、それはシュレジンガーにとってかつては「共産主義」であり、現在は多文化主義というわけだ。
だが、今のアメリカで多文化主義を攻撃するのはたやすい。もちろんその非政治性や相対主義、ポストモダン的消費文化への抵抗力の弱さは指弾されてしかたがないだろう。しかし、現在アメリカのリベラリズムを衰退させているのは、多文化主義ではなく、新自由主義である。つまるところ普遍主義同士の競合関係こそが、現在のアメリカンイデオロギーの焦点なのだ。老シュレジンガーはもはやそれに想いいたらないのだろうか。
現代アメリカ社会における危険性を鋭くついた一冊 ★★★★★
   「多文化主義」が高らかに唱えられているアメリカにおいて、著者はそれがアメリカを「分裂」させると主張する。多文化主義における各自の民族崇拝が生み出す分離主義的傾向は、アメリカの歴史を歪曲して、アメリカの統合を阻むというのが著者の論法である。この本はある程度突っ込んだ内容なので、最低限のアメリカ社会に対する知識を持っていないと、理解に支障が出るかもしれない。また、この本はあくまで「文化的多元主義」を擁護して、「多文化主義」を批判する立場にあるので、賛否両論の視点から、「多文化主義」の主張も触れておいたほうが良いと思う。クレヴクールやトックビル、ザングウィル、ロナルド・タカキなどの本と比較しながら読むと学術的な理解が熟成されるだろう。高い評価である理由としては、現代アメリカ社会における多文化論争に対して、あまりにも現実的で鋭い視点から理論を展開しているからである。