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記憶の神経心理学 (神経心理学コレクション)

価格: ¥2,730
カテゴリ: 単行本
ブランド: 医学書院
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記憶障害と神経科学メカニズムの探究 ★★★★☆
 新しい研究を含めて,さまざまな記憶障害や,そこから見えてくる神経科学的メカニズムの理論を紹介している。
 一部,心理学でよく使われている用語と別の用語で解説しているものがあり,これは何のことだっけ?と混乱した。著者のこだわりなのだろうけど。
 多くのエピソードや症例が紹介されており,それを読むだけでも記憶がいかに私たちの活動において重要なものであるか,あらためて認識させられる。当然だが,脳の部位の名前が非常にたくさん出てくるので,ある程度それらに慣れておかないとついていけないし,面白さも半減するだろう。
予備知識が少ないとちょっと混乱してしまうかも ★★★★★
記憶といっても「昨日はカレーを食べた」というように、言葉で説明できるもの(宣言的記憶)、口では説明しにくいけれども確かに存在する「体で覚える」記憶(手続き的記憶)など様々に区分されます。その区分は今では研究するたびに新しく細分化されると言っても過言ではなく、そのつながりが見えにくくなっています。この本はそういった「記憶の区分」を主眼において分かりやすく説明がなされています。また、人を用いた実験例を豊富に挙げているので理解もしやすいでしょう。ただ欲を言えば、これだけきれいに区分化した内容を説明しているので、ここのつながりを一覧にした表などを作った「まとめ」のようなものがあればもっと分かりやすかったのにと思いました。しかしながら内容的には一般向けに書かれていて分かりやすいのでお勧めです。
本気が伝わってくるのがいいです ★★★★★
著者の深い経験と洞察力、そしてしっかりとした思想に支えられた素晴らしい書籍だと思います。引用図といい、巻末に収められた文献リストといい、本気が伝わってきます。

記憶という全くもって得体の知れないものが、正面から4次元的に丁寧に切り分けられていくのが快感です。

奇跡、といっていい名著です ★★★★★
難しいことを難しく書くのは、その道一筋に生きてきた人にとって難しいことではない。しかし、易しく書くには相当の才能を要する。私にとって鬼門、まさにchaosでしかなかった「神経心理学」が、これほど明快に解説されてしまうとは、如何に山鳥先生であろうとも、私は予想していなかった。ものすごい知の体系ができあがっていて、そこからエッセンスをくみ出す構成力があり、またそれを表現する文才があって、・・・ということを考えると、この本の奥にあるものの大きさに圧倒される思いである。わずかな誤植や勘違い、こうした初刷につきもののキズがなかったら、ふだん学会でお会いする、同時代人である「あの先生」が書いた書物だという実感がわかなかったかもしれない。この領域で苦労し、その複雑をを知っている者にとってそれほどの、人間業とは思えない本なのである。関係者絶対必読。「神経心理学入門」(医学書院)の続版を是非書いていただきたいと思うのですが・・・。