隔靴掻痒この本を読んでの感想である。この本に限らず神経心理と名のつく物を読んで
納得できた事は皆無に等しい。結局、脳溝指標で損傷脳を用いた研究のレベルは低くならざる
を得ないと言う事を著者は理解できないらしい。その程度の書物だと言う事を理解して読めば
神経心理学と言う怪しい世界を覗くには絶好の指南書であろう。

このジャンルの最もオーソドックスな教科書であり、名著です。神経心理学に関わる人はほとんど誰もが持っています。むしろ持っていないと恥ずかしいと思った方が良いかもしれません。ただ、内容はやや高度な上、現在では若干古く感じる部分もあり、どちらかというと私は何か分からないことがある時にこの本で調べる、という使い方をすることが多いです。

　やっぱり名著です。読み易く、しかも内容が高度です。医学史に沿った症候や疾患の記述、症例の引用の数と長さが適度であるある事（症例の引用が余り多すぎたり、個々の症例の記述が長いと読む気がしなく成りますが、この本はその点でとても良い）、図が見易く分かり易い事など、私は、この本が大好きです。値段も安いし、本当に良い本です。神経内科、脳外科、精神科の医師、看護師、作業療法士、他の医療関係者に、この本を推薦します。

（西岡昌紀・神経内科医）

神経心理を学ぶなら先ず四の五の言わずに最初にこれを読みましょう。
そんな本です。
特にSTの学生さんなんて持っていない人いないのではないでしょうか。
全ての基盤にこの一冊。

未だわが国唯一の，神経心理学全域を網羅した教科書。オーソドックスな神経心理学のすべてが本書にある。
本書はバイブルだ。まったくの初学者には読みこなせまい。しかし，学を深めるにつれ，本書が読みこなせるようになる喜びが，必ずある。
ただし，このテキストに留まることはできない。本書に何が足りないのか，何がより興味深いのか，読者はここから自分自身の神経心理学探求を進んでいかねばならないのだろう。
神経心理学徒のそんな出発点に据えるにふさわしい日本語で書かれた唯一のものだ。