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冬のオペラ (角川文庫)

価格: ¥580
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
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現代の名探偵 ★★★★★
妙な探偵を生み出したものだ。
現代において名探偵として生きるには、こうでもしないと成立しない。
著者の本格に対する愛を強く感じる。
このような探偵像は一歩間違えば、滑稽にもなる。
しかし、真摯な姿勢に心を打たれる。

哀しい3つの事件
ヒロインの存在が温もりとなる
究極の安楽椅子探偵 ★★★★☆
高校を卒業した私、こと姫宮あゆみが勤めだした不動産屋の2階に、自称名探偵、巫(かんなぎ)弓彦が引っ越してきた。名探偵として、難事件の依頼しか受け付けないことをポリシーとする巫に興味を持ったあゆみは、ワトソンよろしく事件の記録者を買って出た…。

一目(一度聞いただけ)で真実が見えてしまう名探偵「巫弓彦」とワトソン役「姫宮あゆみ」が活躍する連作中編集。3篇からなるが、最初の2編は巫の能力の一端を明らかにするような導入的作品で、「冬のオペラ」がメインディッシュ。

文字通りオペラ仕立てだが、中身はダイイング・メッセージと奇妙な犯行現場の謎解きを中心とする本格派。最後の最後までダイイングメッセージの解は伏せられるが、探偵の一言が、虚空に消え行くヴァイオリンの音のように余韻を残す鮮やかな幕切れ。同時にタイトルの意味に気づかされる。

著者特有のぞくりとする人の悪意、妄執も作品に陰影と哀切を与えている。

なお、円紫さんと私シリーズとの類似性を嫌ってか、その後続編が出ていないようだが、もう少し読んでみたい気がするものの、上述のような3篇の構成からすると、これで読みきりと考えた方が良さそうである。
名探偵とは存在であり意志である ★★★★★
ある時、自分のことを「名探偵」と気づいた巫弓彦と、
彼の記録者に立候補した物書き志望の姫宮あゆみの物語。



▼「三角の水」

 証拠隠滅を謀った企業スパイが行った放火方法とは?


 トリックは自体は、化学的知識に基づく単純なもの。

 本作においては、謎解き興味より、二人が奇妙なコンビを組むに至る経緯や、
 いかにも現代的で卑小な人物たちと、超然として自らの道を歩む巫との対比の
 構図が読みどころです。

 世知辛く散文的な今の時代に、「名探偵」という孤独な
 生き方を貫く悲哀と覚悟を、淡々と軽妙に描いていきます。



▼「蘭と韋駄天」

 上野のニコライ堂周辺を舞台に、足疾鬼の
 仏舎利盗難になぞらえられる蘭盗難事件。


 〈アリバイ崩し〉がテーマ。

 被害者も犯人も俗物で、醜い虚栄心の応酬を繰り広げていく展開に苦笑。
 彼女たちの友人で、本件の依頼者でもある椿雪子は「冬のオペラ」にも登場します。




▼「冬のオペラ」

  冬の京都の大学。
  2階にある研究室で、教授が殺害された。

  窓からはザイルが垂らされ、地上には被害者の衣類がばら撒かれていた。

  犯人は、ザイルを使って部屋に出入りしたのか?



  実質的に密室状況であった犯行現場が生じた背景には、
  「蘭と韋駄天」と同様、足疾鬼の影が……。

  レッドへリングを適度に泳がしながら、結末で巫がダイイング・メッセージの
  意味を告げる、その一点に向かって物語を収斂していく様は、哀しくも美しいです。
  
「名探偵」として生きる ★★★★★
ある時、自分のことを「名探偵」と気づいた巫弓彦と、
彼の記録者に立候補した物書き志望の姫宮あゆみの物語。



▼「三角の水」

 証拠隠滅を謀った企業スパイが行った放火方法とは?


 トリックは自体は、化学的知識に基づく単純なもの。

 本作においては、謎解き興味より、二人が奇妙なコンビを組むに至る経緯や、
 いかにも現代的で卑小な人物たちと、超然として自らの道を歩む巫との対比の
 構図が読みどころです。

 世知辛く散文的な今の時代に、「名探偵」という孤独な
 生き方を貫く悲哀と覚悟を、淡々と軽妙に描いていきます。



▼「蘭と韋駄天」

 上野のニコライ堂周辺を舞台に、足疾鬼の
 仏舎利盗難になぞらえられる蘭盗難事件。


 〈アリバイ崩し〉がテーマ。

 被害者も犯人も俗物で、醜い虚栄心の応酬を繰り広げていく展開に苦笑。
 彼女たちの友人で、本件の依頼者でもある椿雪子は「冬のオペラ」にも登場します。




▼「冬のオペラ」

  冬の京都の大学。
  2階にある研究室で、教授が殺害された。

  窓からはザイルが垂らされ、地上には被害者の衣類がばら撒かれていた。

  犯人は、ザイルを使って部屋に出入りしたのか?



  実質的に密室状況であった犯行現場が生じた背景には、
  「蘭と韋駄天」と同様、足疾鬼の影が……。

  レッドへリングを適度に泳がしながら、結末で巫がダイイング・メッセージの
  意味を告げる、その一点に向かって物語を収斂していく様は、哀しくも美しいです。
  
雪が降る ★★★★☆
円紫師匠と《私》シリーズから読んでいるので、私にとっての初めての北村薫流”探偵”。個人的には「行動であり結果」でもあり「存在であり意思」でも結局起こる事象にはあまり大差ないと思うのだが。

さておき。
相変わらず伏線や小ネタが多すぎてちょっと田中潤司の解説がないときつかった。文章が難解なのではなく、文章の意図するところが難解なのかな。
内容も今冬ぴったりの作品。