あまりにもふつうで、それなのにどこか常人とは違う何か(それは彼の言うところの躾けによって受け継がれれる文明と言うものだろうか)をもち、まるで小説のように生き、謙虚に口をつぐみ続けた人々。
「奇跡的なほどに単純」であったふたりの中心人物の人柄を愛さずにはいられなかった。
特に、タカジの小学生のように素直で愚直な表現には心を打たれた。
良いとか悪いとかじゃなく、あるがままに、人が生き、そして死ぬということはどういうことか、人生、生き方について考えさせられる。透明、単純、そういった生き方の見本を描き出しているようにも思える。