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優しい音楽 (双葉文庫 せ 8-1)

価格: ¥500
カテゴリ: 文庫
ブランド: 双葉社
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優しい音楽 ★★★★☆
タイトルの通り、やさしい音楽を聴いているかのような心地よい気持ちになった。
音楽とともにほんわりあったかくていいにおいのする空気が流れてきそう。
さらっと読める短編集 ★★★★☆
「優しい音楽」「タイムラグ」「がらくた効果」の3作が
収録された短編集です。
 
3作とも現実には有り得ないようなオモシロ設定ですが、
軽快なストーリー展開により、世の中にありふれた出来事の
ように感じ、また、徐々に明らかになる事実とともに、
全ての登場人物に親近感を抱いていくから不思議です。
 
どの作品にも”悪い人”は登場せず、一見、淡々と進む語り口で
ありながら山場もあり、前向きなラストを迎えることから、
読み終わった後に爽やかな気持ちになれる作品だと思います。
 
とても読みやすい作品ですし、読後感も良いことから、
瀬尾さんの作品を読んだことのない方や、「ちょっと重たい作品を
読む気分じゃないな〜」という方にもお勧めです。
田辺聖子さんの短編小説の雰囲気を思い出しました ★★★★☆
恋愛がからんできても不倫が出てきても、ドロドロしていない点で、田辺聖子さんの短い恋愛小説の温かさに
似たものを感じました。
瀬尾さんも関西人なので、京都や大阪を舞台にした男女の話を関西弁の会話で書いてみたら、田辺調に似てくる
のかもしれないなと思っています、無論、田辺作品には出てこない「メール」など頻繁に出て、時代の違いが
くっきり表れるのでしょうけど。

「ガラクタ効果」の佐々木さんのその後が気になります。
佐々木さんと同世代だからでしょうか、お話の中の人ですが、彼なりに充実した日々を送っていてほしいです。

瀬尾作品をいくつか読んで残念に思うことは、語彙がやや不十分なことです。
例えば、「えっと」でないといけないのでしょうか、瀬尾さんの癖なのでしょうか。
「あのー」「あ」「えー」など、言い出しにくいときの第一声は「えっと」以外にもいろいろあるように思いますし、
それの使い分けも発言の微妙さを表現するのに役に立つように思います。

語彙の面以外では、やわらかい気持ちで読めて良かったです。
読んでいて縛りつけられそうになる重苦しい小説は苦手なもので…。
心地よい音楽が耳元を流れゆく ★★★★★
『幸福な食卓』で大好きになった瀬尾まいこさん。

今作はタイトルにもなっている
『優しい音楽』
『タイムラグ』
『がらくた効果』
3作の短編で構成されている。

隠しごと
不倫
不満

そんな後ろ暗いところがあっても、
登場人物たちは、みんなイイ人ばかり。
だから、どんどんの読み進みたくもなる。
また、ちゃんとそんな気持ちの高鳴りに
答えてくれるだけのラストが用意されている。

瀬尾さんの本って
本当に読後感が気持ちいいんだよなぁ。
そうじゃなきゃ、ファンにならないか(笑顔)
好きな作家さんになりました ★★★★★
瀬尾さんの本を読んだのは2回目。
前に読んだ「天国はまだ遠く」もいいなぁと思ったけど
この本を読んで、わたしは瀬尾さんの本がすごく好きだなぁと思いました。

空気がふわふわしていてみんなが優しい。
あったかくて、いろいろあるけどまたがんばろうと爽やかな気持ちになれる。

人間の汚い面や狂気に焦点をあてた暗い小説が多い中で
瀬尾さんのほのぼのワールドは、読んでいてとてもほっとします。

ありえない設定なのですが、そういうこともあるかもなぁと
すんなり受け入れてしまえるから不思議です。
この日常的なあたたかい雰囲気は何なのでしょう。
というか、この日常的な雰囲気の中で、ありえない設定があるからこそ
物語が地味にならず、いきいきと魅力的に光っているのではないかと思います。

久しぶりにはまった小説に出会えました。
瀬尾さんのほかの本も読んでみようと思います。