構成が面白い
★★★★☆
Cambridge English ReadersのStarter/Beginnerレベル(250語レベル)
語数 2,000 YL 1.3
19世紀に出産した自らの子どもを、父親と結婚していない、また父親が戦死
してしまったとの理由から、奪われてしまい悲痛な思いを抱えるGrace。
そんな彼女を生前に描いた肖像画が、彼女の死後もある家にずっとかかっている。
21世紀になり、その絵が飾られている家を借りて住み始めた若い女性Sueと
その生まれて間もない赤ちゃんSammy。
Graceの絵には、Graceの「気持ち」がまだ残っており、Sammyを自分の子どもと
したい思いで、心の中でSammyに話しかけ気を引こうとする。
本書は、主要登場人物である、時を隔てたGraceとSueそれぞれの立場から、
交互に心情を語る構成で書かれている。お互いに自分の心情を語る体裁を
とっているため、ほとんどが会話や独白の形式をとっている点も本書の
興味深いところである。