前半の人生相談「どうにかなる人生」では、彼氏ができないという人に「心を開いて夜な夜なワイルドサイドを歩き回ろう!」とアドバイスし、明るい性格になりたいという人には落語を聞いて「キュートな失敗」をたくさん勉強することをすすめる。後半の録音も自分たちで行った20時間の対談「苦悩の珍道中」は関西弁による掛け合いが絶妙。丸の内、お台場、浅草と対談場所を移し、そこにある人生を前にした2人からはおかしくて鋭い発言が次々と飛び出す。仕事の悩みは丸の内で、恋愛についてはお台場で語り、浅草では悩みも「ブチ飛ぶ」強烈な行灯に出会う。現地で撮影されたおかしいような悲しいような写真も多数収録されている。
「溺れてる人と一緒に溺れ」ながら導き出した人生相談の答えや対談で語られる内容は、おかしみと愛情、ときに怒りにあふれてはいるが、どこか冷静な部分を残している。町田は人生の明確な答えを与えてくれるわけではない。ひょい、と新しい視点を提示するだけだ。だが本書を読み終わったとき、その視点が、悩みでパンパンにふくれた心に小さな穴をあけ、風通しを良くしてくれたことに気づくだろう。(門倉紫麻)
個人的には、ユニクロを「カラフルだけど奥行きがない」、ケータイを持っている人を「半一人状態」と言い表すくだりに大納得しました。
ちょっと、いやだいぶ世間からずれた二人が織り成す珍道中(写真付き)は一見の価値あり!
しかし、
本の作りが悪いと思いました。
表紙が本からはみ出ているようにできていて気持ちが悪かったです。
読んでいる途中
なんども無意識にずれを直そうとしてむなしい思いをしました。
違和感をうむように狙って背の高さをずらしたのでしょうか。
悩ましかったです。
内容はホントに面白かったです。
また関西出身の2人による対談も不思議な魅力。
本当に友人同士でバカ話をしているかのよう。
どうやったらこんなにくだらないことを考え付くのか?
ある意味尊敬します。情景を想像しながら、
それでいてボンヤリと楽しむのがベストかと思われます。
いしいしんじと町田康、独特な言語感覚を持つ二人のお散歩ルポ?も楽しめます。お台場?それとも台場?とか水の溜っているところに小銭を投げ込むと願いはかなうのか、という謎について熟考されています。(でも解明はされないけどね)