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パンク侍、斬られて候 (角川文庫)

価格: ¥660
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
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絶後 ★★★★★
この小説は悪意に満ち満ちている。
表面上、この本は、
「お前ら(つまり我々)は馬鹿だ。馬より鹿より馬鹿だ。ばーか。ばーか。速やかにすべからく死すべし。」
と書いてあるようなものである。
「お前らはこんなにも馬鹿なんだ。」の「こんなにも」が350ページにわたって書かれているようなもんである。

私はこのおもしろさの根源は、不条理な暴力、だと思う。

はっきり言って、
ここまで馬鹿だと言われる筋合いはない。
確かに馬鹿かもしれないが、ここまで、死ねとまで言われる筋合いはない。
恐らく、作者も本気で「お前らはどうしようもない馬鹿だ。」とは思っていないと思う。
もちろん、少なからず世界に対する怒りみたいなもんもあると思うが、
真剣な、本気な思いではないと思う。
つまりはふざけているのだと思う。

別に真剣じゃないのにものすごく非道いことを言ってくる。
特に理由も根拠もないのにすごく暴力的。
その不条理さがおもしろいのである。
そういった不条理な暴力が私は好きである。
ある種、美しいとさえ思う。

思想上、もしくは、思念の遊びの中での不条理な暴力はおもしろいと思う。
だって、大きいことを言えば生まれるのも死ぬのも不条理で暴力的だ。
テレビの世界も日常の世界もこれに目を瞑っている。
ないものにしている。
この不条理な暴力。
これが看過される世界は健全じゃない。

話が大きくなりましたが、
これも「パンク侍」のなせる業。
候。
時代小説の衣をまとった現代小説 ★★★★★
駄洒落やスラングまで駆使する独特の言語感覚、テンポの良い会話、痙攣的饒舌、スラップスティックな笑い。どれを取っても町田康の個性は際立っている。


『パンク侍』は作者が初めて執筆した時代小説である。時代小説を執筆する時、作家は現在の常識なり価値観を過去に投影しがちである。どうしても江戸時代の武士を現代のサラリーマンのように描いてしまうのである。本書はそういった時代小説の弱点というかいかがわしさを逆手に取り、江戸時代の武士が「マジ汚ねぇよ」と言うわ、ビートルズの「イマジン」は登場するわと、完全に開き直って現代風俗を活写している。その心意気やよし。

本作の前半は登場人物の紹介を兼ねる形で、各々の立場と思惑を丁寧に語っていく。その諧謔と諷刺に満ちた人物描写がマジ笑える。後半は事態が急変し、疾風怒濤の展開。作中世界は加速度的にエントロピーを増大させ、悪趣味と狂気が蔓延していく。この周到に計算された支離滅裂な暴走は凄い。


ピカソの絵が素人目には子供の落書きのごとく映ることがあるように、本作も一歩間違えると中学生が書きなぐった創作作文になりかねない代物である。駄作へと落ち込むギリギリのところで踏みとどまり、全体を絶妙な按配で処理するところにこそ、町田康の天才がある。
文学の屑 ★☆☆☆☆
読み終わった瞬間にゴミ箱に投げ捨てました。
『宿屋めぐり』にしてもこの人のSFものには、
あまりに想像力が欠如していて読むに耐えないきらいがあります。

一つとしておもしろい箇所がない。屑です。
既成の範疇に入らない小説 ★★★★★
文章表現力、創造力、観察力、洞察力、描写力、物語力、論路的思考力、冒険心、常識に囚われない自由さ、語彙の豊富さなど、著者の並々ならぬ力を感じた。物語の展開はダイナミックで、最後まで飽きずに面白く読めた。
登場人物や言葉の使い方、物語の背景がとても変わっていて、「○○小説」とか「××文学」とか、既成の範疇には入れらるものがないのではないかと思う。
町田康に、ほとんど、恋愛感情 ★★★★★
 最初、「何だ、これは?」と思った。帯には時代小説と書いてあるのに、登場人物のしゃべり方、話す内容は全部現代なんだもの。頭混乱状態のまま読むうちに、やめられなくなってしまった。で、読み終わったら、なぜか私、元気になってた。
 町田康の書く人物って、いろんな意味の自堕落野郎ばかりなのに、それぞれの立場でそれぞれの思想を持ってる。常識的に見ると、こんなふざけた考え方、アリか?バカバカしいと思うのだけど、反論できず、そのうち、そうだよなあと共感し、さらには、まあ、私が現実に直面しているちまちました問題などどうでもいいかと思ってしまう。
 この人の作品、語り口やら考え方やら、抗っていても洗脳されるンです。何か私も腹ふりたくなってきた。
 そうそう、蛇足ですが、表紙の町田康が大好き。こんなん書きながら実はナイーブ。そのギャップがたまらないって感じで。