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浄土 (講談社文庫)

価格: ¥596
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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下品な短編小説がお好きならば、どうぞ・・・。 ★★★☆☆
何が浄土かさっぱり理解不能な不愉快小説短編集。
「浄土」なる短編がない。
いっそ本書のタイトルを「どぶさらえ」にでもしてくれれば(そういう短編もあるゆえ)不愉快さが解ろうものを。
少々惜しい。
「どぶさらえ」と聞いて「読みたい」と思う人にこそオススメである。
ひらがなカタカナ漢字横文字の性質を知りつくし戯れる才能 ★★★★★
町田の世界は、単純で瞬発的なパンクのエネルギーというより、ねちねちと執拗なラップの文体(すなわち精神)によってつくられている。「結婚式ゴルフ遊山旅行句会パーティ知り合いの引越し家具の配送などがあって」にみられる読点のなさはラップだろう。
 どの短編もいいが傑出していたのは『どぶさらえ』だった。矢細、横安倍といった奇妙な名字が寓話のような効果を出しているし、「学がない癖に狡猾な田舎のキャバスケのような女」や「烏賊と酢とゴムを混ぜたような臭い」といった直喩の喚起力、「茶道的躊躇」「町会費滞納菩薩」という複合造語のもつ迫力は類まれな言語感覚の表出だ。この短編の最もイーポックメイキングなところは「ビバ、カッパ」という真新しい観念/心象風景のニーチェ的提示である。冒頭の3ページ半が「ビバ、カッパ」の説明に費やされていてそれ自体もう超アンビシャスなのだが、繰り返しや無駄は全くないし、ダレることもない。『どぶさらえ』はどんな話なのか、と聞かれれば、私は悟りの境地にいたる段階を主観と客観の間を軽やかに往復しながら描いたものだ、と答えるだろう。悟り境地に至ると「ビバ、カッパ」はViva! Kappa!となり魑魅魍魎が後をついてくる。どぶ川にこそ入ったことはないが橋を見上げた時のむこうとこっちを隔てている距離というのは経験したような気がするし、橋の上にいる者が空をみてしまう時の置いていかれたような感覚も身に覚えがある。身に覚えがあるのにその場その場でやりそごしてしまっている経験や、苦々しいけど発露せず心の中で燃えカスみたいになっている洞察をほりゃぁ!と眼前に突きつけるのが町田の流儀なのだろう。
あぱぱ踊り ★★★★☆
町田康の作品「パンク侍、斬られて候」読んで面白いな、
と思い、「告白」を読んで町田ファンになっていた。
いずれも長編ですが、本書は短編集となっています。
収録されている「あぱぱ踊り」「本音街」なんかは面白
かったです。
町田康の作品は、日常における些細な不条理を合理的解釈
しようと折り合いを付けるが結局破綻しちゃったみたいな
印象を受けるものが多く、本作品でも自分の心の動きとして
こんなことあるあるといったシーンが書かれているように
思いました。
町田康風に日記を書いたら面白いかな。
自分を、毎日を振り返らせてくれる作品群 ★★★★★
町田康の作品はそんなに読んでいないのですが、この短篇集を読んで、こんなにも強烈な個性を持った作家だったのかと改めて再認識しました。

そこから繰り出されてくる文章は、何の修飾もなく直接的に伝わってくるものです。例えその表現が「PUNK」であろうとも、そのアイロニーがシニカルであろうとも、胸にどんと来ます。それは、日頃私たちが出来るだけ内にしまっておこうとしているものが、表面に取り出されてしまうからかも知れません。

「犬死」「どぶさらえ」「あぱぱ踊り」「本音街」「ギャオスの話」「一言主の神」「自分の群像」の7編のどの作品をとっても、なにがしかのものを気付かされてしまいます。日頃、忘れていたこと、忘れようとしていたことを気付かされるのです。

個人的には、サラリーマンなだけに「自分の群像」が一番気に入りました。
そこに登場する様々な人々は、まさに「サラリーマン」です。確かに、デフォルメはされているのですが、「こんな奴確かにいるよな」と、それぞれを見て思います。確かに、こんな毎日だよなと思います。

楽しいと言うのとはちょっと違うのですが、強烈に自分を、毎日を振り返らせてくれる作品群です。
心の奥にあった澱みたいなのが曝け出されて ★★★★☆
短編7本。いずれも読後感が悪い、それにしても攻撃的、心がざらざらする。

いつものユーモアと偏執的な描写が削ぎ取られているぶん、
心に突き刺さってくる。

帯の背表紙キャッチ、「さらにPUNK!」は、
最近のパンクブームに便乗して若年層を狙ったものか、
「だっせえなあ」と思ったんだけど、
あながち間違いじゃないかもしれない。

心の奥にあった澱みたいなのが曝け出されて、
自分も攻撃的になること請け合い。

読み終わったあとに、
とんと聞いてなかったCOMESの「NO−SIDE」を聞いてしまいました。
すっきりしました。