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千里眼 キネシクス・アイ 上 (角川文庫)

価格: ¥580
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店(角川グループパブリッシング)
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なら卒業なさいって感じ ★★★★★
ひとつ言えることは、この作品はシリーズが休止に入ることを前提に書かれているだろうことです。

今までの名場面?を全部詰め込んで、一応ラストにヒキは入れてありますけど、むしろ今まででも
スタンダード的でストレートな展開を持ってひと区切りつけた感じです。
実際、著者のサイトでは次回作シリーズは違うものが発表されていて、千里眼は休止のようです。

これはそういうある種フィナーレ的なエピソードであり、美由紀の能力全開はそこからきてます。

それと、このシリーズはいつまでもやれ小学館が、旧シリーズが、という懐古中年の感想が
つきまとうのですが、
小学館の時に美由紀は最初から都内で空中戦をやり、イラク戦争を終わらせて地球を救っていて、
「死角」よりは本作はずいぶんまともな範囲の活躍で、能力も過去作の繰り返しにすぎません。

美由紀はいつまでも28歳であり、誕生日は常に新作の発行年の28年前で、
だから本作でも小6の美由紀はアシモ開発前の16年前だったし、既に「美由紀の正体」の設定とは
違って、小学校時代から優秀だったキャラに変わっているわけです。

違っているのは読者の年齢が上がっていることです。美由紀は年齢が固定されてて成長話は
描かれないのが原則ですから、連続性と成長を求める読者には向きません。
ついていけなくなったら中年向けの小説に乗り換えましょう。若い読者に老害と言われる前に。
ちょっとやり過ぎだと思う。 ★★★☆☆
松岡圭祐氏の千里眼シリーズ最新作。

なんというか、荒唐無稽って言えばいいんですかね、スーパーヒロイン岬美由紀が巻を追う毎に人間味を失っていくというか、いや、心としての人間らしさは随所に余すところ無く散りばめられていてそれがこのシリーズのミッションであるのですけど、行動力と頭脳がどうにもこうにもどんどんどんどん飛び抜けてきていて、とにかく強すぎてありえないんですよね。本作では冒頭から小学6年生の岬のエピソードから始まるのですが、これまたどうにもありえねぇの連発でして、やり過ぎてます。興を削がれると言えばいいでしょうか。

中盤から終盤にかけての活劇も、余りにもたくさんの天才・超人エピソードを詰め込んでいて、こちらもやり過ぎ感が漂います。

岬美由紀、小学館での旧シリーズの時にはもう少し親しみやすさがあったのですが、角川で新シリーズになってからはすっかり化け物です。エンタテインメントとして面白さを追究していくことは良いのですが、これは暴走じゃないでしょうかね?一度は面白いとはまったシリーズなだけに、残念です。もう戻れないだろうな・・・。

千里眼 キネシクス・アイ 下 (角川文庫)
スーパーヒロイン!岬美由紀を堪能する! ★★★★☆
 上下巻併せてのレビューです。本作は千里眼こと岬美由紀誕生10周年を記念する作品として2009年3月に発売されたDVD付きの単行本を上下巻に分冊して発行されたものです。

 物語は16年前。我らが岬美由紀ちゃんの小学生の時代から始まります。彼女が養父母と暮らした平穏な時代を垣間見れてちょっと幸せになります。それでも岬美由紀所以たる優しさや強さは随所に見られ、実際にこんな子が居たら近寄れないよなーと、くだらない想像を致します。

 で、養父の勤める会社が倒産の危機に陥ったとき、ちびヒロイン美由紀ちゃんの活躍が始まり、怒涛の流れで、現代でのノン=クオリアとの戦いへと読者を導きます。

 ネタばれになるので詳細は伏せますが、本当に松岡さんは時事ネタやトリビアを使った話を作り上げるのが上手です。今回は10周年と言うことで特に力が入っていると思います。力が入りすぎてトリビアネタが細かすぎて、岬って何者?と今更ながらに思うのはご愛嬌。そして、あまりにも伏線などを練り上げてあるので、読書後に「あーまた踊らされた!」とちょっと自己嫌悪に陥りました。

 また、岬美由紀はこの10年で進化し続けて、もはや超人です。この先を考えると少し寂しさが募ります。(松岡さんもこの辺りは気にしているようで、さかんに美由紀は人間であることを強調しておりますが、強調すればするほどちょっと空しくなります)

 何はともあれ、10年の節目にふさわしい力作でした。