あきれた
★★☆☆☆
・ 文章的に
どうでもいい比喩表現の多用にはうんざりします。特に序盤。
筆がノッて来た中盤以降は減少しますが、それでも思い出したように『どうで
もいい場面で』これでもかと、しょうもない比喩を使ってきます。文章に厳し
い方は、読まない方が無難です。鼻で笑って済ます事は、まず出来ないでしょ
う。怒りを通り越して呆れる事ができれば、問題ないかもしれません。
・ 内容的に
長い割に薄い。この作者、メリハリ・要不要が分かってないんではないだろう
か。書き散らしただけとのレビューに同感。リングやパラサイト・イブと比べ
れば、その稚拙さも際立つのでは? アイデアと左腕の描写の比重を大きく感
じれば、良書かも知れません。
ただ、恐らく本書の専門知識が多少でもある人間にとっては不満が残るので、
アイデアと衝撃シーンだけでは、カバーしきれない気がします。
※ 理系タイプに不満が残るのは、学者として論理を展開する人物達がまるで
※ 大槻教授と矢追純一。 議論も 2ch 調の論争に専門用語足しただけで興ざ
※ めです。根拠を示さない「常識」による断定 vs 恣意的推察だけではねぇ。
※ 例え小説内の人物が「わざと」やっていたとしても。幼稚。
登場人物のシニカルでちょっとズレたボヤキも、大槻教授と矢追純一さんっぽ
い討論も、『ぶりぶり』と言う擬音にしても、どこをどうとってもシニカル+
コミカルなSFホラーに見えてしょうがない。
その割にシリアスな展開があったりと、雰囲気自体もふら付いている。
だからこそ、この分厚さかも知れない。
・ それでも賞とるだけはあるなと思うのは
政府機関の思惑は、序盤・終盤合わせ、ありきたりながらしっかり考えられて
いる。下らない比喩表現も、数打てばあたるのか、終盤になると『商標登録を
背負った女神』等、テーマ・内容・場面にマッチした言い回しが増える。
結局、内容的には何も解決しないし、大きなカタルシスもないが、終盤のまと
まりの良さで許せてしまう。
他、アイデアと左腕の描写で☆1つ足します。
ただ、かなり調査していると思いますが、DNAとタンパクと組織形成の関連が、
全く理解できていない! そのクセ物語内ではかなり重要な地位を占めている。
小説内で登場する高分子シミュレーターも、かなり大きな誤解を招きます。
ホラーと言うよりかSFではないだろうか??
★★★★☆
まず、発想が良い。ウイルスに感染すると左腕がすっぽ抜け、そいつが生物のように動き回る。そしてその特徴は現代の生物に比類なく、遥か古代のカンブリア紀のおかしな生物達の特徴を持っている。こりゃまさに傑作だ。
でも、アダムスファミリーのハンドってキャラクターもそんな感じだったな〜。作者はあれからヒントを得たのだろうか?
文章の所々にジョークや面白い表現があり、恐怖に縮み上がるような印象は受けなかった。それにバイオハザードものと言う事で、ホラーというよりSFに近い分類じゃないかと私は思う。難解な部分が多少あるが読むのに苦戦する程でもない。文章に動と静の脈絡を感じた。ホラー何だけとホラーじゃなく。ホラーなんだけど面白い。
内容より何より、まずは文章が下手
★★☆☆☆
これで本当にホラ大受賞なのか疑問だ。
左手に寄生したウイルスが左手だけを切り離して・・・
この設定も漫画みたいだし。
長い割りに内容に乏しく、文章がヘタ。
はっきりいって、最後まで読むのが苦痛でした。
アイデアは良い
★★★☆☆
この作者の作品は、アリスにしてもクォータームーンにしてもアイデアは良い。
しかしいつもラストが尻切れトンボで終わる。
そこが残念である。
見る人が見ればいいかもしれない。
★★★★☆
他の方のレビューでは評価が低いようですが、敢えて書きます。
私がこれを読んだのは発売直後のハードカバーでした。
当時は、パラサイトイブとか、リング、らせんとか、
5分後の世界Uとか、バイオホラーやSFがはやっていた時期でした。
そのような小説の中で特に
カンプリア紀という進化の大爆発をネタに書いた小説というのは斬新でした。
あとでカンブリア紀の生物の本をみたり、コンピュータ上で進化する生物(AL)等の
本を読んで、ああ、そういうことだったのか、と何かがつながったような気がしました。
さらに、「イントロンの悪魔 上下」を読むと関連した面白みが増すのではないかと思います。
当時の2007年現在では大したものではなかったかもしれませんが
10年前はゲノム解析がいろんな科学雑誌で話題になっていたので、
ホラー小説としては面白くなくても、SFとしてなら面白みがあったんです。
そういった意味では一定の評価をあげても良いのではないでしょうか。
イントロン、カンブリア、進化、とかに興味があれば見ても良いと思います。