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姉飼 (角川ホラー文庫)

価格: ¥460
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
Amazon.co.jpで確認
表題作が強烈 ★★★☆☆
最近表紙買いをすることが多い中、これは表紙よりも
タイトルに惹かれ手に取ってみた。

このタイトルの妙感。
「姉を飼う?」何とも不思議な惹き込まれ方をした。

●姉飼(表題作)
縁日で初めて「姉」見た主人公が、その姉に抱く羨望。
頭の中に不純物を混ぜられたような感覚になる。
幼い頃、お化け屋敷の前を通った時に「蛇女」というタイトルに目が行った時の
あの怖い感覚が蘇った。
見たいけど、見たくない…そういう感覚。

●キューブ・ガールズ
記憶喪失の女性の独白で始まり、独白で終わる。
「世にも奇妙な世界」で放送されてそうな話で、目新しさは無し。

●ジャングル・ジム
ジャングル・ジムの擬人化話。
最初は、ホットな感じがだんだんと…。
最後にふと”人間椅子”が浮かんだが、こっちはホントに
ジャングル・ジムが意識を持っているので、異次元的です。

●妹の島
蜂にさされる快感をもつ男と、その不出来なコピーのような息子4人。
蜂飼の光一が、静かに怖い。
まるで、金田一耕介が出てきそうな世界観ではありますが
さすがに、こんなグロさは無いでしょう。

「姉飼」と「妹の島」の2編は、ねっとりとしたホラーで後を曳きます。
ですが、やっぱり表題作のインパクトが強くて
他の3篇は影が薄い印象でした。

それなりに、面白かったですが
好き嫌いのはっきりと分かれる作品ですね。
残念 ★☆☆☆☆
何でしょう。表現が乏しくてつまらない。怖さもエロさも甘い。人間の残酷性とか復讐心とか狂った心とかをもっとよく研究してから書いたほうがよいのでは?オチもなくだらだら続く文章に飽きてくる。表紙は怖そうだがなんてことない作品でがっかりでした。
ホラー短編集。「キューブ・ガールズ」がオススメ ★★★☆☆
「姉」という記号の異形。
「ジャングル・ジム」の人化。
小説でしか表現できない手法を上手く使い、きもちわるい雰囲気を演出している。

「キューブ・ガールズ」は現代風俗的にアップデイトされた現実崩壊もの。
個人的には、この作品が一番オススメ。
異常と日常、加虐と愛情 ★★★★☆
異常な世界を基礎として展開する小説。
以下は、おもに『姉飼』についてのレビュー。

主人公の視点からは、ありふれた田舎町の日常。読者の視点からは、狂って歪んだ「日常」。
このギャップを小説の特徴に据えるのはありふれているが、『姉飼』においては、猟奇で怪奇な世界観が完成されているという点で、特に評価したい。
そのような(読者から見ての)奇妙な光景が、作中では、まるで疑問視されない日々の瑣事として淡々と描かれる。私のように、これが好きな人には、垂涎ものの作品だと思う。

じっさい、『姉飼』に出てくる色んな単語や概念は訳が分からないのだが、だがそれがいい。
科学の一分野から説明すれば説得力が出ると勘違いしているような詳細な解説も無いし、筆者のよく分からない人生観に基づいた感傷的で修辞的な解説も無い。
あるのはただ、ひたすら「姉」との生活に耽溺し、「姉」のために生きる主人公の、個人的な感想だけだ。主人公にとって、「姉」はすべての中心であり、絶対のものだから、わざわざ言葉で「姉」の是非を語ることはしないのだろうと私は解釈した。

また、これは非常に個人的な、まず多くの人の共感を得られない点だと思うが、「姉」という物(者?)が本当に存在したとして、そして、私がじっさいに「姉」を手に入れたとして、おそらく私自身が彼女に対し抱くであろう加虐心や愛情が、そのままこの小説に描かれているような気がした。言い換えれば、私は主人公にかなり共感できてしまった。
現実の世界とはあまり繋がりのない異常な世界だと言っても、主人公の感情は、とても生々しく生き生きしていると、私は思う。


【こんな人におすすめ】
 ・説明のない、淡々とした物語展開に魅力を感じる
 ・『世にも奇妙な物語』にある、独特の、何とも言えない奇妙な雰囲気が好きだった
 ・ドS

【こんな人は読まない方が良いかもしれない】
 ・投げっぱなしの世界観が嫌い
 ・グロテスクな描写が不得手
 ・読了後のスッキリ感を求めている
脳が沸きそうです。 ★★★★☆
この本は理屈で読んでは楽しめません。「そういうものだ」と思って読むとどんどんのめりこめます。感想はといえばとにかく「気持ち悪い」。そしてその気持ち悪さが読者を引き込んでゆくスパイスになっています。例えていうなら頭蓋骨に穴を開けて300℃に煮えたぎった蜂蜜を流し込んだような感触と言いますか。はまる人はものすごくはまると思います。物語的には「キューブガール」のほうが面白かったのですが。