インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

幕末下級武士のリストラ戦記 (文春新書)

価格: ¥767
カテゴリ: 新書
ブランド: 文藝春秋
Amazon.co.jpで確認
一読して本書の主人公山本政恒に脱帽した ★★★★★
自分の属していた組織が崩壊したらどう身を振るか?
下谷御徒町に生まれ16歳で御徒となった政恒は、28歳で幕府が消滅して俸禄を失う。
伝手をたどって江戸っ子なのに群馬県庁に奉職すること15年、50歳で東京に戻り小間物屋・紙張物屋を開業、還暦を過ぎて料理茶屋の帳場(経理であろう)勤め。更にこれに前後して帝室博物館に奉職、70歳過ぎまで働いた。
この間、23〜47歳までに六男五女を儲けるという精力ぶり、敬服する。
政恒という人はマメだったようだ。幼少から老齢に至るまでの出来事について仕事や生活ぶりや累積収支まで細かく記している。加えて挿絵が非常にうまい、素人離れしている。一級の史料だ。
将軍の行列の前触れに御徒が白扇をかざして告知するとか、彰義隊の戦いの翌日の上野広小路は手足バラバラの死体だらけで血の海だったとか、初めて知る話がいっぱい。
政恒歿後1世紀、自分の一代記が平成の日本人に読まれて、泉下の政恒もさぞや喜んでいることであろう。
50歳からの再チャレンジ ★★★★☆
幕末から明治の激動期を生きた旧幕臣山本政恒の記録。
彼の身分は御徒(おかち)。
幕臣の中では下級だが、将軍側近の警備要員として重要な役割を担っていたようだ。
彼ら御徒が住んでいた場所は、現在もJR御徒町駅として名を残している。

さて本書の主人公、山本政恒は桜田門外の変当日は江戸城に詰め、鳥羽伏見の戦いでは大阪城に詰め、上野彰義隊の戦いは実家の目前で行われている。
そして、幕府瓦解後は徳川家の新領地静岡へ赴き、その後は、下級官吏として群馬、埼玉などで過ごしている。
まさに、激動の時代を生き抜いてきた人だ。
その人の記録だけに、読んでいて面白い。
また、随所に家族思いの姿が垣間見られ、やさしいい人柄が感じられる。

特に印象に残ったのは、50歳を過ぎ再就職をあきらめ、自分で商売を始める決心をしたときの次の言葉だ。
「奥は士族の行いをなし、表は商人の交わりをなし、番頭・小僧を兼ねたる勤めに雇はれたる心持にて力を尽くさば、必ず果たさざる事なかるべしと思案を定め・・・」
この覚悟の言葉は、就職難の現在に仕事を選り好みしている人たちに聞かせたい言葉だ。
人間、誇りを失わなければ、どんな仕事にもチャレンジできるということを、150年以上前の先人に教えられた思いがする。
時代の変化に懸命に対応する侍の姿 ★★★★☆
タイトルは奇をてらい過ぎた感じがしますが。これは最後の将軍徳川慶喜に仕えた御徒侍である山本政恒の人生を振り返ったものです。まさに波乱万丈というところです。武士の家に生まれて、寺に奉公に出て、召抱えられたと思ったら、幕府がなくなってしまい、明治の時代を生きることになった武士の人生。この人自身が、自分の自分史を作成し、出版されています
(幕末下級武士の記録)。今回読んだ本はこの記録の抜粋というところです。武士としての覚悟とプライドを心に宿して、変わりゆく時代を生きる姿は爽やかな強さを感じました。
幕末を生きた下級武士の生々しい姿 ★★★★☆
 幕末維新を駆け抜けた「英傑」たちにはついては十分すぎるほど語られているが、本書は気「下級」武士の、泥臭く、生々しい「リストラ」戦記である。そのため、我々の胸に迫ってくるものがある。
 激動の時代を生き抜くためにどんなことでも地を這って行った「男気」。考えてみれば、現代の不景気など大したことはない。多いに共感して、元気のでる一冊である。
とにかく実録。 ★★★★★
江戸時代に、御徒だった山本政恒が、
幕末・明治にかけて、
どんな人生を送ってきたかが描かれている。

とにかく、日記を書いた本人が描いた
イラストが、なかなか達者で楽しい。
隅田川で水泳の練習の絵がいい。

泳ぎの練習をしている人のふんどしを
川っぺりに建つ小屋から紐をつないでいる
なんて様子は、なかなか愉快。

暮らしぶりもわかって、
楽しめる。