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新耳袋―現代百物語〈第9夜〉 (角川文庫)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
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日常と非日常のはざま ★★★★★
 今回は,様々な「き」―気・奇・鬼・喜・祈・危・忌・帰・記―にまつわる話が収録されています。

 本シリーズは体験者からの取材をもとにして構成されており,過剰な装飾的記載や強引な謎解き,及び筆者の憶測が一切排除されています。また,各話もたかだか数ページ以内に収められていることと相俟って,読後,非常に上質な余韻が残ります。単なる‘怖さ’だけではない,この‘余韻’こそが,本シリーズの秀逸さを特徴づけていると思います。

 筆者は,読者に,‘安定した現実世界’(という幻想)に揺さぶりをかけます。現世(うつしよ)と隔世(かくりよ)とのはざまに在ることの不安をかき立て,同時にこの不安な状態に在ることの快感をも与えてくれます。だからこそ,僕たち読者は,本シリーズの虜になってしまうのでしょう。
 数多ある怪談の中で,本シリーズが巻を重ねているのも頷けます。

 また,「文庫版あとがき」も,是非楽しんでいただきたいです。本編には載せられなかった後日譚も味わいがあります。

 いよいよ,次巻が最終巻です。待ち遠しいやら,惜しいやら…。
気付いたら ★★★★★
気付いたらいつのまにか新刊が出ていました。耳袋の文庫版の、目玉が一個一個増えていくシュールなジャケットが好きで、いやでも文庫版で集めたいと思っている私には、待望の新刊です。

今回の話も、たった5行程度や、ほとんどが2〜3ページで収まる程度の短いものばかりなのにも関わらず、背筋にぞぞーーーとくるお話がいくつかありました。

私の場合、それは「ええ波きたで」と「四月二十一日」でしたね・・・。

また、今回は「危にまるわる話」という章立てがあり、実際に怪異に触れてしまったことで生命の危機に立たされるシリーズがありました。それはもう、怖かったです。すごく嫌な感じがするのに、止められない・・読むのが止まらない。

余計な虚飾を一切取り除き、かつ具体的でわかりやすい怪異記録である新耳袋は、下手な小説よりずっと面白いし、心引き込まれるものがあります。でも、これを読んだ夜は必ず寝られないし、トイレにいくのが怖いです。読み終えた夜、CDプレーヤーが原因不明に音飛びして変な音が続いてなった時はもう・・・気が狂うほどこわかったです。

怪談を百話読むと何か起こると言いますよね。心して読んでください。
怪談で涙 ★★★★★
シリーズ全10巻でも、出来の良い一巻。大フィルの朝○奈さんの話が特にグッと来る。原則人も場所も匿名性を確保し、すぐ隣に在りそうな恐怖を味あわせてくれる本シリーズだが、この話は、容易に特定でき、特定できる人には一層深い感動(タイプミスではない「感動」するのだ)を味わえる。この話と近隣から愛された老婆の話は、泣ける。怪談・しかも2,3ページのボリュームの連続でありながら、時に涙できる。新耳袋のシリーズが類書と一線を画す要素の一つであろう。
かわらない恐怖 ★★★★★
ついにこの本も9冊目。

今回は、恐怖というよりも、これって何?な話が多かったように思う。

ただ、読む進めていくうちに恐怖の重みが増していくのは、著者らの構成によるところか?

いつも巻末を飾る連携した話は今回、ある建物にまつわる話となっている。

第九夜、もっとも恐ろしかった話は「中学の同級生」。なんだかわからないが、これを読んだ時、暑い駅のホームで鳥肌がたった。

「き」をテーマにした全99話の怪異話 ★★★★★
第1夜から第8夜まで、すべて読んできましたが、このシリーズもついに9作目ですか。

今回は、「き」をテーマに置き全99話が収録されています。
「き」といっても、気・奇・鬼・喜・祈・危・忌・帰・記と様々な意味を持った字が当てられています。
これだけ見ても、その多様さと、内容が伝わってくるようです。

各章は、細かい文章で完結にまとめられ、テンポのよさを生み出し、毎回、ついつい禁断のカバーをはずして、禁則の百物語を完成させてしまう要素をはらんでいます。

著者も書き記すように今回の巻は、内容が充実しています。鳥肌の立つもの、狐につままれたように感じるもの、感慨を覚えるもの・・・etc

ついに、次巻第10夜で最終巻を迎えるとのことですが、携帯サイトの開設、TVドラマ、映画と、耳袋の世界は今後もつづいていくことと願います。