物語はようやくスタート地点に立つ
★★★☆☆
ようやくタイトル通り国を興す展開になったわけですよ。つまりここからがスタート! 本来ならプロローグ数ページで語るべき部分に七巻を費やしたわけですね。ド新人や新人賞では絶対にできない芸当で、ある意味では凄く豪華な作品です。
中身はそんなわけで本巻は主人公敗北の連続でやっちゃった感が強く、ここからどうすんの?と言う感じで人を選ぶかもしれません。カタルシスを演出しようとしてカタストロフにならなきゃいいんですが。
良いも悪いも続巻しだいって事です。
ああいっそシードデスティニーのごとく主人公交代と言う手も。
読者の予想を裏切るという点では成功だと思うが、これは反則な気がする
★★★★☆
シリーズ第7作にして、第1部完。
この物語の舞台となっている時代、世界の水準からすると、その世界観とは全くかけ離れた、オーバーテクノロジーなものが出てくることは前々からあり、その意味では、世界観そのものがきちんと固まっていないというか、あやふやな面があるのは今に始まったことではないが、今回はこれまで以上にぶっとんでいる。
これまでのややもするとグダグダな感じが続くのかと思い読み始めてみたが、好意的に見れば、予想を裏切ったともとれるが、今回のそれは、むしろ暴走に近いように思う。これまでにも、ある意味超越的な存在というのは、皆無ではなかったが、今回は完全に「ミスマルカ興国物語」というゲームのルールの外からのアクションに感じられる。もちろん、それも含めての物語だと言ってしまえばそれまでだが、この展開は少々許容範囲を超えたものだと思う。こういった展開をどの程度計算していたのかはわからないが、今回のようなある意味本則技を使うようになると、作品自体が滅茶苦茶になりかねないので、そうならずにきちんとした作品であってほしい。
厨二病要素のオンパレード
★☆☆☆☆
これを書いた人はある意味すごいですね(少なくとも私には書けません
余すことなく厨二病を使った豪華なラノベです
虚けを気取った厨二病王子が隠していた才能を発揮して
その才能で周りの人々を驚かせ傲り高ぶる!っていう典型的な厨二病サクセスストーリー
天才王子には何かもお見通し&予想通りです!
こんなの何が面白いのかさっぱりです
主人公に感情移入して虚栄心でも満たしてますか?
読了した時、貴方はタイトルの意味を知る!
★★★★★
まず感想から言わせていただくと、文句なしに「面白い」です。
特に紋章を入手してからの畳みかけは鳥肌物で、マスラヲの最終巻に引けをとりません。
前巻のあとがきで「本気を出す!」との事でしたが、偽りはなかったと思います。
最近のラノベはラブコメ等が多く、物語に引き込まれて「ページを捲る手を止めたくない、止まらない」
と思う作品はそうそう有りませんでしたが、今作はそんな貴重な一冊でした。
最近はラノベ買ってもチマチマとしか読まず、引き込まれる事もありませんでしたが、
このミスマルカ7巻は気が付いたら、あとがき読んでました。第二部が楽しみです。
第一部 完結
★★★★★
林トモアキさんが描く王道…風ファンタジー第一部堂々の完結でございます。
ぶっちゃけ、彼の作品を嗜まれている方にはレビューなど必要ないかと思われます。林トモアキさんの作品である。それだけで買って読む価値があるのではないでしょうか。
なので、林トモアキさんの作品に触れた事のない。そういう人に向けて彼の作品全体に対するレビューを書こうと思います。林トモアキさんの作品を一文で申しますと、「大風呂敷を広げ力業でまとめ上げる」といった具合です。
物語の舞台は、主人公のおかれた状況は、個々の登場人物の能力は末広がりに広がっていきます。どう考えたってコレはまとまりきらないだろう。読者にそう思わせた所で圧倒的な力を持った存在が現れ、唐突に収束へと向かいます。
私はこの構図自体には肯定的ではありません。夢オチなどと同様に御都合主義が過ぎる悪法だと考えています。しかし中々どうして、林トモアキさんの作品は面白い。何故だろうと自問したところ、こんな答えが返ってきました。
林トモアキの作品は御都合主義は御都合主義でも、物語や登場人物の御都合を考えたものではなく、作者と、そして彼の作品を好んで読む読者の為の御都合を考えたものなのではないか、と。決して物語を強引に続ける為に大風呂敷を広げざるを得なかったのではなく、作者が広げたいから広げ、悪法と理解した上でデウスエクスマキナを作品に登場させます。
それが何とも愉快で痛快なのです。その構図を大前提とすることで、登場人物達は所狭しと暴れまわり、悪役もまた強大過ぎる力を振りかざし主人公の前に立ちはだかることが出来る。だからこそ、どうしようもなく追い込まれた主人公が最後に下す選択に私たち読者は共感し、心を動かされるのです。
彼の作品を読む事で得る物は必ずあると思います。ミスマルカ興国物語以外の作品でも構いません是非お手に取ってみて下さい。