クレーメルのモーツアルトは最高
★★★★★
1984年5・6月ウィーンで録音。1786年に作曲した『ケーゲルシュタット・トリオ』K.498、ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲K.423とK.424の三曲だがモーツアルト好きならすぐに理解するだろうがこれらの曲をまともに録音したのは彼等が初めてである。これほどの美しい佳曲を見逃さないところがクレーメルのまず凄いところだ。
そしてアーノンクールと組んだモーツアルトのヴァイオリン協奏曲全集でも分かるがモーツアルトとクレーメルの相性は抜群である。キム・カシュカシャンのビオラも素晴らしい。彼女はマンフレート・アイヒャーのECMでもアルバムを出しているのだが、アイヒャーもきっとこの作品の演奏を聴いて呼んだのだろうな、と思った。
おそらくクレーメルの生涯の演奏でも三指に入る名演だろう。この上もなく優雅だ。