その中にはさまざまな例が駆使されています。たとえば、ゴフマンが実際に参与観察したホテルの支配人や従業員、客らの間に取り交わされる相互行為などが例にあげられています。そうした相互行為へのゴフマンによる細かな分析がなされています。
ゴフマンは一見ミクロな世界だけを考慮に入れているようにみえますが、決してそんなことはありません。たとえばこの The Presentation of Self in Everyday Life の中でも、フランスの社会学者デュルケムの引用が目立つように、ゴフマンはミクロな行為のみに注目するのではなく、マクロな社会的要因にも注目し、それぞれの連関を考慮に入れていることが理解できます。
もちろん、心理学的に自己呈示について学ぶためのテキストとしても使えると思います。