絶品!!!美しさの極み!!!
★★★★★
この盤に関しては、「美しい!!!」の一言しかない。第一に曲自体が美しく、演奏もずば抜けており、未だに凌駕されることのない名盤といって良いでしょう。タリス・スコラーズの演奏は、例によって立体的なハーモニーのバランスは当然のこと、絶えず生き生きした呼吸と、歌う旋律の流れを感じさせる流麗なもの。フレージングの見事さは、リズム感の良さによるものなのでしょう。メンバーの声の質がそれぞれ個性的で、均質な声のメンバーを集めた団体の演奏がしばしば冷たい響きを感じさせるのに対して、暖かく、血の通ったものとなっています。時折、かなり激しい表情がつけられており、自然な演奏でありながら、なかなかドラマチックです。ヴィクトリアのレクイエムは、メロディーが取り付きやすいので、こうした、伴奏楽器抜きの教会音楽の入門にも適していますから、初めてこうした音楽を聴こうとする人にも、是非お薦めしたい一枚です。