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800 (角川文庫)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
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TWO LAP RUNNERS ★★★★☆
『800』です。
陸上の800メートル走を題材とした青春スポーツ小説です。
長身で身体能力に優れるが、陸上は始めたばかりというヤクザ屋の中沢と、セレブ家庭で理論的な有望選手である広瀬の高校一年生二人が主人公です。その二人交互の一人称で物語は進んで行きます。

確かに800メートル走を走るシーンや練習するシーンなどもありますし、広瀬の語りパートではスポーツ科学的な蘊蓄も多数開陳されています。が、中沢も広瀬も、半分は青春シーンです。具体的に言えば、恋、セックスです。

最初は別々だった中沢と広瀬のパートがやがて少しずつ交わって行く様は、二人の視点を交互に描くという手法も相まってなかなか良かったです。
スポーツ、というよりはやはり青春の物語なので、スポーツをメインに期待している読者はちょっと注意が必要でしょうけど。
ただ、広瀬の妹とのヘンな関係は、あまりいらなかったようにも思いました。
最後には中沢と広瀬が800メートルでガチの勝負。熱かったです。

脇を固めるキャラも、それぞれ魅力あったと思います。山口も相原先輩も。
そんな中で、サブキャラとして、デブの吉田先輩がナイスでした。
名作としてかなり高名なようですが、不満点も多々あるのですが、かなり楽しく読めたのは事実です。
評価は★4です。
現役高校生(陸上部)から見て……… ★★☆☆☆

周りの人の評価が良かったので読んでみたのですが、なんだか不自然な点がちょっと多くて話に感情移入できませんでした……。

いくら最近の高校生でもこんな軽くない!と思いました。

(私の部活の先輩なんて童貞しかいませんよ笑)

性描写がきついので、有名な青春陸上小説「一瞬の風になれ」のような淡くピュアな恋愛を期待して読むと衝撃を受けるかもしれません。


しかし800メートルという距離を題材にしたのは凄く面白いと思います!
800は実際に走っても(凄くきついが)楽しいし、見てても楽しい!
そして何故か800の走者はマッチョが多い……!


しかし私にとっては性描写の件と、陸上の描写がイマイチだったので星2つです。



陸上部員はどう思うのか,この小説を… ★★☆☆☆
 あとがきによれば,作者自身も「800」をやっていたようだ.ならば,この小説は,余計な思いを排して,時代をよみ,フィクションに徹したということなのだろう.作者の時代,(「陸部」ではなく)「陸上」は,もっと地味だったし,どこか「祈り」に近いものがあった.
 だよね?

 現実感の希薄さが残念に思えたが,それは私の「余計な思い」が強かったからかもしれない.性,アルコール,暴力などは「青春」に不可欠なものかもしれないが,本書のそれらには共感しにくかった.「青春」はいつから,かくもdryでlightなものになったのだろうか.
 それだけ?

 舞台の設定が,自分と心理的な距離が近く,期待が大きかっただけに,当世風の青春小説にはなじみにくかったが,これから青春の只中に入っていく若人には,(希望というよりは)「期待」を与える小説なのかもしれない.「陸部」以外のひとに,より支持される青春小説ではあるまいか.
 まあ,そんな感じ?
800m競争の面白さがいまいち伝わらないなあ ★★☆☆☆
本作品は、陸上の800m競争に明け暮れる中沢と広瀬および女性陣(伊田、山口、広瀬の妹)とが織り成す青春ドラマのような感じである。スポーツ小説を読みたい人にとってはあまり物足りない感じがします。男女の青春ものが読みたいのであれば薦めます。私は前者なので、途中から読みたくなくなりました。あさのあつこ『バッテリー』や森絵都『DIVE』の方が十分に楽しめました。

最初のころは、全部中沢のことを言っているのかなと思っていたけど、しばらく読んでみるとおかしいなあと言うことで、広瀬と中沢の話が交互に入れ替わりながら展開されていくのだなということがわかった。もう少しわかりやすく誰の話かと言うことが明確になっていたほうがいい。

もう少し陸上の800m競争の面白さというものがわかればよかったかなと思う。陸上の格闘技と言われるみたいだが、大会でのそういう駆け引きと大会に臨む過程の家庭と言うものがもっと見たかった。そこら辺が結構ないがしろにされたような気がした。
中高生のセックス事情はここまで軽くないと思うがなぜかスッキリ ★★★★★
この作品が書かれた90年代初め、僕も高校生だったけど、性に関してこんなに奔放な奴はなかなかいなかった。もうちょっとヤボな方が現実的かもしれないが、どっかのパラレルワールドのチュウコウセイの物語と思って読めば問題無い(ていうか読み進めていくうちに自分のいる世界では無い800ワールドにトリップしていた)

読み終わった後の爽快感は、夏休みの部活のあとのみかん水のようだ。